インナーチャイルドの具体的な症状と特徴

インナーチャイルドのインナーチャイルドの具体的な症状と特徴

POINTインナーチャイルドの具体的な症状は、①否定的自己概念、②対人関係がうまくいかない、③失敗を極端に恐れる、④白黒思考、⑤見捨てられ不安、⑥完璧主義、⑦自暴自棄・自傷行為、⑧感情の抑圧、⑨他者の世話をし過ぎる、⑩自己犠牲、などがあげられます。

心理カウンセラーの寺井です。

心理学における「インナーチャイルド」とは、「幼少期に負ったトラウマ(心の傷)」や「幼少期に満たされなかった気持ち」や「幼少期に身に付けた思考・行動パターン」を指します。

このように、心理学では「幼少期の体験は『人格形成』に多大な影響を与える」と考えられており、インナーチャイルドによって引き起こされる症状は、「自己概念、感情の安定性、情緒の安定性、価値観、思考・行動パターン、他者との関わり方」など様々な面に現れます。

この記事は、インナーチャイルドの具体的な症状と特徴について解説しています。

インナーチャイルドの具体的な症状と特徴

インナーチャイルドの影響によって引き起こされ様々な症状を表わすイラスト

インナーチャイルドによって引き起こされる症状は、「自己概念、感情の安定性、情緒の安定性、価値観、思考・行動パターン、他者との関わり方」など様々な面に現れます。

また、インナーチャイルドによって引き起こされる症状は、人よっても違いますし、育った家庭環境によっても違います。

そして、1つの症状だけが引き起こされるというわけではなく、いくつもの症状が複合的に引き起こされる場合が多いです。

なお、「インナーチャイルドの具体的な症状と特徴」は、主に以下の「具体例」があげられます。

POINT

  1. 否定的自己概念が強い
  2. 対人関係がうまくいかない
  3. 失敗を極端に恐れる
  4. 白黒思考になる
  5. 見捨てられ不安が強い
  6. 完璧主義になる
  7. 自暴自棄・自傷行為に陥る
  8. 感情を抑圧する
  9. 他者の世話をし過ぎる
  10. 自己犠牲に陥る

それでは、以下に詳しく解説していきます。

 

①否定的自己概念が強い

インナーチャイルドが傷ついている人は、子どもの頃に「親や家族」から「否定的な扱い」を受けて育った場合が多く、その影響で、大人になって「自分を否定的に捉える(否定的自己概念を持つ)」ことが多いです。

否定的な自己概念とは,自分が落ちこぼれであるとか他の人より劣っているといった持続的な感覚を指す。

引用元:心理学ワールド 97号 社会が変わる,社会を変える 複雑性PTSD

なお、「インナーチャイルドによって引き起こされる『否定的自己概念』」とは、主に以下の「具体例」があげられます。

POINT

  • 自己否定感が強い
    自分のことを「嫌いだ」と感じる、自由に行動したり楽しむことに不安を感じる
  • 自尊心が低い
    「自分は誇れる点がない」「自分は何の役にも立たない」と感じる
  • 自己肯定感が低い
    「自分を許せない」「自分に自信がない」と感じる
  • 無価値感が強い
    「どうせ自分には何の価値もない」「どうせ自分は何をやっても駄目だ」と感じる
  • 孤独感が強い
    「どうせ自分は誰にも必要とされない」「どうせ自分は誰にも理解されない」と感じる
  • 劣等感が強い
    「いくら頑張っても、どうせ自分は報われない」「いくら頑張っても、どうせ自分はあの人に敵わない」と感じる
  • コンプレックスが強い
    「自分は可愛くない」「自分は格好悪い」「自分は魅力がない」「自分は能力がない」など、自分の物足りない部分が気になる

また、否定的自己概念が強くなると「生きづらさ」を感じるようになり、以下のような「症状」を引き起こす場合があります。

POINT

  • 自分自身を大切にできない
  • 物事を楽しめない
  • 生きていること自体に苦しさを感じる
  • 将来への期待や希望を感じられない
  • 「苦しさから逃れるためには自分という存在を消すしかない」などの「希死念慮」を感じる

本来、子どもにとって「家庭」とは「最も安全な居場所」であり、「親」とは「最も信頼したい擁護者」であるべきなのですが、「親や家族」から「否定的な扱い」を受けた場合、インナーチャイルドが傷ついてしまい、その影響で「否定的自己概念が強くなる」と考えられています。

以上のことから、「否定的自己概念が強い」という点は、インナーチャイルドによって引き起こされる症状のひとつと言えます。

 

②対人関係がうまくいかない

インナーチャイルドが傷ついている人は、子どもの頃に「自分の気持ちや意見を親や家族に否定されたり無視される」ことが多かったと考えられており、その影響で、大人になって「もうこれ以上、人に傷つけられたくない」という「防衛的な気持ちが強くなる」ことが多いです。

なお、「インナーチャイルドによって引き起こされる『人と関わることへの防衛的な気持ち』」とは、主に以下の「具体例」があげられます。

POINT

  • 集団になじめず、人付き合いが苦手だと感じる
  • 誰かにとやかく干渉されるのが嫌だ
  • 誰かに自分のことを聞かれるのが嫌だ
  • 誰かに自分のことを気にされると鬱陶しさを感じる
  • 人と関わることが面倒だと感じる
  • できれば、ずっとそっとしておいてほしいと感じる
  • 学校や職場など、人が多い場所ではなるべく目立たないようにする
  • 学校や職場など、人が多い場所にいると早く一人になって解放されたいと感じる

また、インナーチャイルドが傷ついている人は「親や家族に傷つけられない(親や家族に自分の気持ちや意見を否定されない)」ために、子どもの頃から「自分の感情」や「自分の意見」を内面に抑え込むことが多く、その影響で、大人になって「自分の感情を表現すること(自分の意見を主張すること)に対する苦手意識を持つ」ことが多いです。

なお、「インナーチャイルドによって引き起こされる『自分の感情を表現することへの苦手意識』」とは、主に以下の「具体例」があげられます。

POINT

  • 基本的に「話す」ことや「声を発する」ことに恥ずかしさや抵抗感を感じる
  • 基本的に人前だと緊張する(少数でも、家族でも)
  • 基本的に3人以上の会話が苦手(周囲に人がいなくても)
  • 2人きりでの会話であっても、周囲に人がいると上手く話せない
  • 発表、スピーチ、講演、演劇、カラオケなど、人前で「話す」ことや「声を発する」ことが苦手
  • 会議、会合、食事会、飲み会など、「意見交換」や「交流の場」が苦手

さらに、インナーチャイルドが傷ついている人の中には、子どもの頃に最も信頼したい存在である「親や家族」から「暴力や暴言による虐待を受ける」あるいは「謂れもない疑いを掛けられる」など「理不尽な扱い」を受けて育った場合もあり、その影響で、大人になって「他者への警戒心が強く、他者に素直になれない」ことが多くなり、「短気でキレやすく、少しのことで他者との関りを拒絶してしまう」場合があります。

なお、「インナーチャイルドによって引き起こされる『他者に素直になれない様子』」とは、主に以下の「具体例」があげられます。

POINT

  • 自分の非を認めない
  • 素直に謝らない
  • 何かを言われたら何かを言い返す
  • 言い訳が多い
  • 他人のせいにする(他責グセ)

このように、人生で初めて出会った「人間」である「親や家族」との関りで何らかの問題が生じた場合、インナーチャイルドが傷ついてしまい、その影響で「対人関係がうまくいかない」ことが多いです。

以上のことから、「対人関係がうまくいかない」という点は、インナーチャイルドによって引き起こされる症状のひとつと言えます。

 

③失敗を極端に恐れる

子どもは「親や家族」に「ありのままの自分を受け入れてもらう」ことで「自己肯定感」が高まり、心身共に健全に成長していくことができます。

ですが、「家庭」によっては「親や家族」が「勉強・スポーツ・習い事・家事・子育ての協力」などについて「子どもに過度な期待を掛ける」場合があり、このような場合、子どもは「親や家族の期待に応えるために懸命に頑張り続ける」ことになります。

そして「親や家族」から「過度な期待」を掛けられて育った子どもは、「親や家族」に「ありのままの自分を受け入れてもらえない(子どもらしくのびのびと過ごすことを許してもらえない)」まま大人へと成長することになり、その影響で、大人になってから「周囲の期待に応えられないことを極端に恐れる」ようになったり、「失敗を極端に恐れる」ようになると考えられています。

なお、「インナーチャイルドによって引き起こされる『失敗を極端に恐れる様子』」とは、主に以下の「具体例」があげられます。

POINT

  • 失敗を恐れるあまり、自分の失敗を受け入れられない
  • 失敗を恐れるあまり、仕事に執着しすぎてしまう
  • 失敗を恐れるあまり、自分にも他者にも厳しくなる
  • 失敗を恐れるあまり、先々の不安に囚われすぎてしまう
  • 失敗を恐れるあまり、過去の出来事に囚われすぎてしまう
  • 失敗を恐れるあまり、問題に取り組むこと自体から逃げてしまう
  • 失敗を恐れるあまり、少しの失敗で大きく挫折して自暴自棄になってしまう

このように「親や家族」から「過度な期待」を掛けられて育った場合、インナーチャイルドが傷ついてしまい、その影響で「失敗に対する恐れが強くなる」と考えられています。

以上のことから、「失敗を極端に恐れる」という点は、インナーチャイルドによって引き起こされる症状のひとつと言えます。

 

④白黒思考になる

白黒思考」とは「認知の歪み」のなかのひとつで、「物事を『白か黒か』『0か100か』など二分して捉える極端な考え方」を指します。

また、幼少期に親や家族との間に何らかの問題があった場合、子どもは「白黒思考」になりやすいと考えられており、特に「白黒思考を持つ親に育てられた場合、子どもは白黒思考になる可能性が高い」と考えられています。

幼少期の体験も白黒思考の原因になります。特に白黒思考を持つ親(養育者)に育てられた場合、子どもが白黒思考になる可能性が高まります。

引用元:白黒思考とは?原因や特徴、治し方の3ステップを詳しく解説!

なお、白黒思考が強くなると「物事を両極端に考える」ようになり、以下のような「症状」を引き起こす場合があります。

POINT

  • 理想が高い・完璧主義
  • べき思考(MUST思考)が強い
  • 決めつけ・思い込みが激しい
  • 猜疑心が強い
  • 他人の意見に影響を受けやすい
  • 何事も白黒ハッキリさせる
  • ネガティブ思考が強い
  • 曖昧さに耐えられない

また、白黒思考が強くなると「心に余裕がない状態(ストレス過多)」が続いてしまい、以下のような「症状」を引き起こす場合があります。

POINT

  • 人間関係リセット症候群
  • 被害妄想
  • 強迫性障害
  • 摂食障害
  • 対等な関係性が築けない
  • 過干渉・過保護
  • うつ病・パニック障害などの精神疾患

このように、幼少期に親や家族との間に何らかの問題があった場合、インナーチャイルドが傷ついてしまい、その影響で「白黒思考の傾向が強くなる」と考えられています。

以上のことから、「白黒思考になる」という点は、インナーチャイルドによって引き起こされる症状のひとつと言えます。

 

⑤見捨てられ不安

インナーチャイルドが傷ついている人は、子どもの頃から「親の愛情不足」で育った場合が多く、その影響で、大人になって「見捨てられ不安が強くなる」ことが多いです。

見捨てられ不安とは、家族や恋人など親しい人に見捨てられることを過剰に恐れる心理状態です。…(中略)…見捨てられ不安は、幼いころの親との関係やトラウマなどと関係しているといわれています。

引用元:見捨てられ不安と愛着障害の関係|原因としんどいときの対処法

「見捨てられ不安」とは、「相手に見捨てられること、相手に嫌われること、一人ぼっちになること」に対する「強い恐れ」です。

ですので、「見捨てられ不安」が強くなると「心に余裕がない状態(ストレス過多)」が続いてしまい、以下のような「症状」を引き起こします。

POINT

  • 強い感情反応
    相手のちょっとした言動に敏感に反応し、激しく嫉妬したり厳しく監視したり、些細なことで過剰に喜んだり、怒ったり、悲しんだりする
  • PTSD
    相手のちょっとした言動に敏感に反応し、突然思い出したくない辛い記憶が蘇り、精神的に不安定になる
  • 依存的な行動
    親・家族・友人・恋人・知人を頼りすぎたり、自立することを恐れたりする
  • 依存症
    強い不安と孤独感から逃れるため、依存症になる(アルコール依存症、薬物依存症、ギャンブル依存症、ワーカーホリック(仕事中毒)、恋愛依存症、宗教への依存など)
  • 精神疾患
    強い不安と孤独感からストレス過多となり、精神疾患になる(摂食障害、不安型愛着障害、境境界性パーソナリティ障害など)

このように、子どもの頃に「親の愛情不足」で育った場合、インナーチャイルドが傷ついてしまい、その影響で「見捨てられ不安が強くなる」と考えられています。

以上のことから、「見捨てられ不安が強い」という点は、インナーチャイルドによって引き起こされる症状のひとつと言えます。

 

⑥完璧主義

インナーチャイルドが傷ついている人は、子どもの頃から「親や家族の期待に応えるという条件を満たすことで自分の存在価値を認めてもらえる」という「親子の関係性」のなかで育った場合が多いため、大人になって「周囲の期待に応えることができている自分には価値があるが、周囲の期待に応えることができていない自分には価値がない」という「強い危機感」を感じやすくなります。

このように、インナーチャイルドが傷ついている人は「周囲から期待・評価をされていなければ、自分の存在価値が無くなってしまう」という「強い危機感」を常に感じているため、自らに「非常に高い目標」を設定したり、少しのミスも許せないため「事前に綿密な計画」や「事前に万全な準備」を整えようとしたり、決められた約束を絶対に守るため「時間厳守」を徹底するなど、周囲の評価を気にするあまり、さまざまな点で「完璧主義の傾向が強くなる」ことが多いです。

完璧主義とは、必要以上に高い目標を設定し、万事が整った状態を目指し努力する特徴や性格を指します。自分自身に厳しく、また他人の評価を気にする傾向にあり、定められた時間内で完璧を目指そうとします。ミスや失敗を許すことができず、頑張り過ぎてしまうので精神的なストレスをため込みがちです。

引用元:完璧主義の特徴とは。やめたい人のための治し方

なお、「インナーチャイルドによって引き起こされる『完璧主義』」とは、主に以下の「具体例」があげられます。

POINT

  • 他人の評価が気になる
  • 事前の計画や準備を周到にする
  • 無駄が嫌い、時間厳守を徹底する
  • 責任感が強い、妥協は嫌い
  • 上昇志向が強い、理想が高い
  • 自分にも他人にも厳しい
  • 自分の思い通りにいかないとイライラする
  • 失敗が許せない、失敗が怖い
  • 負けを許せない、負けを認められない
  • 逃げることを許せない、逃げることを認められない
  • 常に何かと戦ってる、常に勝つことばかり求めている
  • 結果がすべて、いくら努力しても結果が出ないものは無意味と感じる
  • 完璧な自分に満足感を感じる

このように「親や家族」から「過度な期待」を掛けられて育った場合、その影響で「完璧主義の傾向が強くなる」と考えられています。

以上のことから、「完璧主義になる」という点は、インナーチャイルドによって引き起こされる症状のひとつと言えます。

 

⑦自暴自棄・自傷行為に陥る

インナーチャイルドが傷ついている人は「否定的自己概念」を強く感じるぶんだけ「自尊感情(自己肯定感)が低くなる」と考えられており、その影響で、大人になって「自暴自棄になりやすい」と考えられています。

自己肯定感が低い人は、自暴自棄になることがある。…(中略)…過去に経験したトラウマや失敗が、現在の自暴自棄につながる場合がある。

引用元:自暴自棄と決別するための究極の方法

【自暴自棄】: 物事が思いどおりにならないために、自分で自分の身を粗末に扱い、なげやりな行動をして将来の希望を捨てること。やけくそになること。

引用元:自暴自棄(じぼうじき)とは? 意味や使い方

なお、「インナーチャイルドによって引き起こされる『自暴自棄』」とは、主に以下の「具体例」があげられます。

POINT

  • アルコール・薬物・ギャンブル依存症に陥る
  • 暴走行為に傾倒する
  • 暴力事件を起こす
  • 窃盗事件を起こす
  • 犯罪に手を貸す
  • 若年妊娠に巻き込まれる
  • 不登校になる
  • 引きこもりになる
  • 家出をする

また、インナーチャイルドが傷ついている人は「否定的自己概念」を強く感じるぶんだけ「自らの悩みを親や家族や友人に相談できず、ストレスを溜め込んでしまう」と考えられています。

ですので、インナーチャイルドが傷ついている人は「心に余裕がない状態(ストレス過多)」を少しでも緩和するために、「自傷行為を行うことでストレスを軽減する」場合があります。

自傷行為とは、ネガティブな気分を軽減する、人間関係のトラブルを解決する、ポジティブな気分になるといったことを期待して自分の体を意図的に傷つける行為です。…(中略)…誰かに助けてもらいたいのにそれができずに一人で解決しようとしているのが自傷行為であると考えられています。

引用元:なぜリストカット(リスカ)をする?正しい理解と自傷行為のループから抜け出す方法など【松本俊彦氏監修】

なお、「インナーチャイルドによって引き起こされる『自傷行為』」とは、主に以下の「具体例」があげられます。

POINT

  • 過食、拒食、リストカット、髪の毛を抜く、鉛筆や針を腕に刺す、やけどをつくる、自分を叩く、自分を引っ掻く、自分をつねる、頭を壁にぶつける、薬を過剰に飲む、治りかけた傷口を引っ掻く…など

このように、インナーチャイルドが傷ついている人は「否定的自己概念」が強く感じるぶんだけ、「人生に対してなげやり」になったり「自分自身を傷つけてしまう」場合があります。

以上のことから、「自暴自棄・自傷行為に陥る」という点は、インナーチャイルドによって引き起こされる症状のひとつと言えます。

 

⑧感情を抑圧する

インナーチャイルドが傷ついている人は、子どもの頃に「両親の言い争いが多い殺伐とした雰囲気の家庭」や「両親の関係が冷め切った重苦しい雰囲気の家庭」で育った場合が多く、その影響で、大人になって「人間関係のトラブルを極端に恐れるようになる」と考えられています。

このようにインナーチャイルドが傷ついている人は、人間関係において「内心いつもビクビクと怯えている」場合が多いのですが、「子どもの頃に味わった殺伐とした雰囲気や冷めた雰囲気をもう二度と味わいたくない」という切実な願いから、「自分の感情を抑圧することで人間関係のトラブルを避けようとする」ことが多いです。

なお、「インナーチャイルドによって引き起こされる『感情の抑圧』」とは、主に以下の「具体例」があげられます。

POINT

  • 自分の意見は抑圧して周囲の人たちの意見に従う(存在感を消す)
  • 自分の要望は抑圧して周囲の人たちの要望を優先する(いい子を演じる)
  • 寂しさ、悲しさ、孤独、怖さ、不安、怒り、イライラ、緊張」などのネガティブ感情を絶対に表に出さない
  • 「愚痴、泣き言、不平、不満」などの弱音を絶対に吐かない
  • 周囲のネガティブな雰囲気や機嫌が悪い人を笑わせて和やかにする
  • 人の集団から極力離れて一人で過ごす

このようにインナーチャイルドが傷ついている人は、子どもの頃に「両親の言い争いが多い殺伐とした雰囲気の家庭」や「両親の関係が冷め切った重苦しい雰囲気の家庭」で育った場合が多く、その影響で「人間関係において『いい子』を演じる」ようになったり「人間関係において『存在感』を消す」ようになると考えられています。

以上のことから、「感情を抑圧する」という点は、インナーチャイルドによって引き起こされる症状のひとつと言えます。

 

⑨他者の世話をし過ぎる

インナーチャイルドが傷ついている人は、「親」に代わって「病気の家族」の看病をしたり、「炊事・洗濯」など家事をこなしたり、「幼い弟妹」の面倒を見たり、「介護が必要な祖父母」の世話をしたり、子どもの頃から「父親代わり・母親代わり」となって家族の世話をしてきた場合が多く、その影響で、大人になって「世話焼きになる」ことが多いです。

このようにインナーチャイルドが傷ついている人は、「相手の世話をできている(相手に必要とされる)ときには自分の存在価値を感じて精神的に安定するが、相手の世話をできていない(相手に必要とされていない)ときには自分の存在価値を感じられず、精神的に不安定になる」という特徴があり、その影響で、人間関係において「共依存に陥りやすい」と考えられています。

共依存とは特定の相手との関係に依存しすぎる状態のこと。恋愛関係、友人関係、親子関係など人間関係全般に現れます。相手との関係性において自分の価値を見出すことになるため、自分自身を見失ってしまったり、危険な状況を招いたりすることも。

引用元:共依存とは?共依存に陥りやすい人の特徴をチェック!

また、「他者から認められたい、自分の存在価値を感じたい」という気持ちを「承認欲求」と言います。

承認欲求とは「自分を見てほしい」「話を聞いてほしい」「誰かに褒めてほしい」といった「他者から認められたい」という欲求です。誰もが持っている自然な欲求ではあるものの、時には自分自身を苦しめたり、周囲の人を不快な気持ちにさせてしまったりと、強すぎる承認欲求には良い影響があるとはいいがたいものもあります。

引用元:承認欲求とは?強い人の特徴や対処法、マズローの欲求5段階説についても解説

このようにインナーチャイルドが傷ついている人は、「世話好きであることから、人間関係において感謝される」反面、「世話を焼きすぎてしまうことで、人間関係においてトラブルを起こしやすい」と考えられています。

なお、「インナーチャイルドによって引き起こされる『世話焼きのプラスの印象』」とは、主に以下の「具体例」があげられます。

POINT

  • 面倒見がいい人
  • 気が利く人
  • リードしてくれる人、アドバイスしてくれる人
  • 察しがいい人
  • かゆいところに手が届く人
  • みんなが嫌がることを引き受けてくれる人

また、「インナーチャイルドによって引き起こされる『世話焼きのマイナスの印象』」とは、主に以下の「具体例」があげられます。

POINT

  • ありがた迷惑、余計なお世話が多い人
  • 過干渉な人
  • マウンティングをする人
  • 他人をコントロールする人
  • 自他境界があいまいな人
  • 承認欲求が強すぎる人

このように、子どもの頃から「父親代わり・母親代わり」となって家族の世話をしてきた場合、その影響で「他者の世話をすることで精神的な安定を得ようとする」と考えられています。

以上のことから、「他者の世話をし過ぎる」という点は、インナーチャイルドによって引き起こされる症状のひとつと言えます。

 

⑩自己犠牲に陥る

インナーチャイルドが傷ついている人は、「苦労する母親」やに代わって「炊事・洗濯」など家事をこなしたり「幼い弟妹」の面倒を見たり、「不甲斐ない父親」に代わって「母親の愚痴」を聞いたり「父親と母親の仲介役」をしてきた場合が多く、その影響で、大人になって「自分を犠牲して他者を支える」ことが多いです。

このようにインナーチャイルドが傷ついている人は、子どもの頃から「自分が楽しむ」ことより「家族を支える」ことを優先し続けてきたため、その影響で、人間関係において「自己犠牲に陥りやすい」と考えられています。

自己犠牲とは、他人のために自分の何かを犠牲にして尽くすこと。たとえば、他人の仕事まで引き受けたり、休みも自分ではなく周囲を優先してしまったり、などの行動をとることです。

引用元:自己犠牲とは?自己犠牲の原因と克服方法をご紹介

このようにインナーチャイルドが傷ついている人は、「自己犠牲をいとわないことから、人間関係において感謝される」反面、「自己犠牲をし過ぎてしまうことで、人間関係において問題を抱えやすい」と考えられています。

なお、「インナーチャイルドによって引き起こされる『自己犠牲による問題』」とは、主に以下の「具体例」があげられます。

POINT

  • 相手に尽くしすぎるあまり、相手の依存心を悪化させてしまう
  • 子どもを心配するあまり、過保護な子育てをしてしまう
  • 責任感や使命感が強すぎるあまり、親の介護で疲れ果ててしまう
  • 相手に嫌われることを恐れるあまり、相手の理不尽な要求を断れない
  • 人助けに没頭するあまり、自分の心身のケアを疎かにして体調を崩す
  • 依存心の強い親を支え続けるあまり、自分の幸せを逃してしまう
  • 苦労する家族を心配するあまり、自分の人生を楽しめない
  • 親や家族に寄り添い過ぎるあまり、友人や恋人など人間関係が希薄になる

このように、子どもの頃から「兄弟姉妹の『親』代わり」「父親の『妻』代わり」「母親の『夫』代わり」となって家族を支えてきた場合、その影響で「自己犠牲の傾向が強くなる」と考えられています。

以上のことから、「自己犠牲に陥る」という点は、インナーチャイルドによって引き起こされる症状のひとつと言えます。

 

なお、「インナーチャイルドによって引き起こされる症状」については、以下の「チェックリスト」で詳しくチェックすることができますので、必要な方は参考にしてください。

 

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以上、「インナーチャイルドの具体的な症状と特徴」という記事でした。

この記事を書いた人
寺井 啓二

「うつ、アダルトチルドレンの克服経験」を持つ「心理カウンセラー・心理セラピスト」。
自らの克服経験を世の中のために役立てたいと考え、2013年に「メンタル心理そらくも」を設立、代表を務める。
10年以上のカウンセリング臨床実績があり、「アダルトチルドレン、インナーチャイルド、うつ病、パニック障害、人間関係の生きづらさ、親子関係の悩み(毒親)、子育ての悩み、恋愛・結婚の悩み、中学生・高校生の悩み」などの相談を得意としている。

◆カウンセリング実績
・臨床実績:過去2000回以上
・男女比:男性40%、女性60%
・年齢層:中学生から60歳代
・来訪元:静岡、愛知など東海圏
     東京、神奈川など首都圏
     大阪、兵庫など関西圏
     海外在住の方

◆保有資格
・上級心理カウンセラー
・メンタル心理カウンセラー
・うつ病アドバイザー
・チャイルドカウンセラー
・家族療法カウンセラー
・セルフ・アクセプタンスカウンセラー
・EFT-Japan Level 1
・EFT-Japan プラクティショナー

“代表:寺井啓二の詳しいプロフィール”

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