回避依存症:ナルシストタイプの原因

2022年12月16日アダルトチルドレンアダルトチルドレンの恋愛傾向,回避依存症,恋愛・結婚

回避依存症ナルシストタイプの原因を表しているイラスト

POINT回避依存症:ナルシストタイプの原因は、①負の世代間連鎖、②幼児的万能感、③愛着障害、などが考えられます。

心理カウンセラーの寺井です。

「回避依存症:ナルシストタイプの原因」には、「負の世代間連鎖」「幼児的万能感」「愛着障害」など、子どもの頃に親から受けた子育ての影響や、子どもの頃に一緒に過ごした家族の影響など、子どもの頃の家庭環境が密接に関わっており、子どもの頃、親から受けた子育て・家庭環境に何らかの問題があった場合、その影響により「回避依存症」になる可能性が高いと考えられています。

また、問題のある家庭で育った(問題のある親に育てられた)ことが原因で、大人になって、恋愛を含む人間関係全般に問題を抱えている人を「アダルトチルドレン」と言います。

そして、「回避依存症」とは、アダルトチルドレンの特徴のひとつとも言われており、アダルトチルドレンを克服することが、「回避依存症の克服」に繋がると考えることができます。

この記事は、回避依存症:ナルシストタイプの原因について解説しています。

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回避依存症:ナルシストタイプの原因

回避依存症ナルシストタイプの原因は親の影響を受けていることを表しているイラスト

「ナルシストタイプ」をはじめとする「回避依存症の原因」には、子どもの頃に親から受けた子育ての影響や、子どもの頃に一緒に過ごした家族の影響など、子どもの頃の家庭環境が密接に関わっていると考えられています。

回避依存症の原因…(中略)…過干渉な親、過保護な親、親と子の役割が逆転した親子など、情緒的な束縛が原因にあげられます。

引用元:回避依存症

そして、「ナルシストタイプの原因」となるような「親・家族の問題点」とは、主に以下の「3つ」が考えられます。

POINT

  1. 「父親」が「母親」を粗略に扱ったり、「母親」が「父親」を軽蔑していると、子どもは「パートナーを見下す両親の様子」を「モデリング(学習)」し、大人になって無意識に「模倣」する
  2. 子どもの頃、「父親が家庭に不在がち」であったり「過保護な母親」に育てられると、大人になっても「幼児的万能感」が強く残る
  3. 子どもの頃、母親との「愛着形成」が不完全であると、大人になって「自己愛の歪み」が生じる

このとき、「パートナーを見下す両親の様子」を、子どもが「モデリング(学習)」し、大人になって「模倣」し繰り返すことを「負の世代間連鎖」と言います。

次に、「父親が家庭に不在がち」であったり「過保護な母親」に育てられてことにより、幼児期の感覚のまま心に残った「子どもっぽい自信」を「幼児的万能感」と言います。

さいごに、母親との「愛着形成」が不完全であったことが原因で、恋愛をはじめ「人間関係全般」に問題が生じることを「愛着障害」と言います。

以上のことから、「回避依存症:ナルシストタイプの原因」は、大きく分けて以下の「3つ」が考えられます

POINT

  1. 「ナルシストタイプの両親」に育てられたことによる「負の世代間連鎖」の影響
  2. 「父親が家庭に不在がち」であったり「過保護の母親」に育てられたことによる「幼児的万能感」の影響
  3. 「母親からの愛情不足」による「愛着障害」の影響

それでは、以下に詳しく解説していきます。

 

①負の世代間連鎖

「ナルシストタイプ」とは、魅力的であるが故に異性からモテる反面、「浮気・不倫」を繰り返すなど、家庭において「パートナー」を見下したり粗略に扱う傾向があります。

反対に言えば、このような家庭で育った場合、子どもは「父親」が「不倫・浮気を繰り返している状況」で育ったり、「母親」から「父親の悪口」を聞かされながら、大人へと成長していったことになります。

あるいは、目立ったトラブルはなくとも、子どもは「父親」が「母親」を粗略に扱っている様子や、「母親」が「父親」を軽蔑している様子を間近で見ながら、大人へと成長していったことになります。

また、「三つ子の魂百まで」という言葉がある通り、子どもの頃に親との関りで受けた影響は、その後の「人格形成」に大きな影響を与えることは、科学的にも証明されているところです。

このように、子どもが成長過程において「親の思考・行動パターン」を「模倣」することで生き方を学習することを「モデリング」と言います。

心理学においてモデリング(英: Modelling)とは、何かしらの対象物を見本(モデル)に、そのものの動作や行動を見て同じような動作や行動をすることである。人間(主に子供)の成長過程では、モデリングにより学習・成長するとされている。

引用元:モデリング (心理学)

以上のことから、子どもの頃、「父親」が「母親」を粗略に扱っている様子を間近で見ながら育った男子は、大人になって、父親と同じように「女性を粗略に扱う」可能性が高いと心理学では考えられています。

同じように、子どもの頃、「母親」から「父親」の悪口を聞かされて育った女子は、大人になって、母親と同じように「男性を軽蔑する」可能性が高いと心理学では考えられています。

ちなみに、「父親と同じように女性を粗略に扱う」「母親と同じように男性を軽蔑する」など、子どもの頃、親から受けた子育てによる「負の影響」が、親から子へ、子から孫へと無意識に連鎖してしまうことを「負の世代間連鎖」と言います。

負の世代間連鎖とは、「親(又は親から上の世代)から引き継いだ負の人生プログラム及び認知の歪みの連鎖」を指します。世の中の親子問題を抱えている人の多くが、「親を介してこの負の人生プログラム及び認知の歪みの連鎖」に巻き込まれたことによって、様々な問題を抱えてしまうようになったことを知ることはとても大切なことです。

引用元:親子の問題①(世代間連鎖)

このように、「ナルシストタイプ」は、子どもの頃、「父親」が「母親」を「粗略」に扱っている様子や、「母親」が「父親」を「軽蔑」している様子を「負の世代間連鎖」によって繰り返していると言い換えることができます。

以上のことから、「負の世代間連鎖」は、「回避依存症:ナルシストタイプの原因」のひとつと考えることができます。

 

なお、「負の世代間連鎖」については以下の記事で詳しく解説していますので、必要な方は参考にしてください。

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②幼児的万能感

人は、誰でも「母親」から生まれ、母親との距離が近い幼児期には、「自分はすごいんだ!」「自分は一番かっこいい(かわいい)んだ!」という「揺るぎない自信」を感じながら成長をはじめます。

このとき、幼児期に感じるような「自分はすごいんだ!」「自分は一番かっこいい(かわいい)んだ!」という「揺るぎない自信」を「幼児的万能感」と言います。

幼児的万能感とは?文字通り、幼児的で(精神的に未熟で)万能である(自分は何でもできるすごい奴だ)と信じる心のことです。…(中略)…また、この頃に身につけておきたい「根拠のない自信」にも通ずるものがあり、幼いころに幼児的万能感を持つことはとても大切なことです。

引用元:厄介な幼児的万能感

このように、子どもは「幼児的万能感」を感じながら、だんだんと「母親以外の人」との関り方を身に付けていき、「失敗」や「挫折」を経験することで「幼児的万能感」が自然と打ち砕かれ、代わりに、自分の身の丈に合った新しい価値観を得ることで、自分らしく生きていくことができるようになります。

そして、「母親以外で最初に関わる人」と言えば、概ね「父親」になるわけですが、仕事の忙しさを理由に「父親」が家庭に不在がちであったり、なんらかの理由で「父親」が子育てに無関心であった場合、子どもは「父親」との関係において「失敗」や「挫折」を経験できず、「幼児的万能感」を残したまま大人へと成長していくことになります。

あるいは、「過保護な母親」であった場合、「かわいい…かわいい…」「かわいそう…かわいそう…」と、黙っていても母親が先回りして様々な世話を焼いてしまうため、子どもは「母親」との関係において「失敗」や「挫折」を経験できず、「幼児的万能感」を残したまま大人へと成長していくことになります。

「過保護」とは、子どもが望むことを何でも好き放題にさせること、子どもが不快感を示したり困難を感じることに対し、親が先回りして回避する行為を指して言われることが多いでしょう。その結果、わがままに育ち、独立心が弱く、依頼心が強かったり、また集団生活に不適応な性格になりやすいと考えられます。

引用元:子どもに悪影響な「過保護」、適切な「保護」との違い

このように、「家庭に不在がちの父親」や「過保護な母親」に育てられた場合、子どもは「幼児的万能感」を強く残したまま大人へと成長していくことになります。

ですので、「ナルシストタイプ」が行う「自己中心的な行動」は、子どもの頃、「失敗」や「挫折」を経験できなかったことで強く残った「幼児的万能感(揺るぎない自信)」の影響であると言い換えることができます。

以上のことから、「幼児的万能感」は、「回避依存症:ナルシストタイプの原因」のひとつと考えることができます。

 

なお、「過保護な親」については以下の記事で詳しく解説していますので、必要な方は参考にしてください。

 

③愛着障害

このように、「ナルシストタイプの原因」には、子どもの頃、親から受けた子育ての影響が密接に関わっていますが、とくに「子どもの頃の母親との愛着形成」が密接に関わっていると考えられます。

また、母親との「愛着形成」に問題が生じる子育てとは、「過保護」をはじめ、「過干渉」「DV」「モラハラ」「ネグレクト」などがあげられますが、このような家庭環境で育った場合、子どもは、幼児期に必要な「母親との愛着の形成」が十分にできないまま(健全な発達段階を踏めないまま)大人へと成長していくことになります。

そして、幼児期に必要な「母親との愛着の形成」が十分にできないまま育った子どもは、「幼児的万能感」が歪んだ形で残り続けると考えられています。

なぜ幼児的万能感が打ち砕かれなかったのか?…(中略)…一つ目は、親の抱える心の問題によって、虐待されたり、拒絶されたり、無視されたりして、幼児期に必要な関りが与えられなかった場合です。…(中略)…このような場合、つらすぎる現実の中で生きてきた子どもは「自分が勉強を頑張れば、叩かれることはない」…(中略)…という万能感を抱き、その幻想に縛られて生きていくことになります。

引用元:厄介な幼児的万能感

ちなみに、「母親との愛着形成」が不完全であったことが原因で、恋愛をはじめ「人間関係全般」に問題が生じることを「愛着障害」と言います。

愛着障害とは、養育者との愛着が何らかの理由で形成されず、子供の情緒や対人関係に問題が生じる状態です。主に虐待や養育者との離別が原因で、母親を代表とする養育者と子供との間に愛着がうまく芽生えないことによって起こります。

引用元:愛着障害(アタッチメント障害)

このように、「ナルシストタイプ」は、「愛着障害」の影響によって「幼児的万能感」が歪んだ形で残っており、その影響で「自己愛の歪み」が生じていると言い換えることができます。

以上のことから、「愛着障害」は、「回避依存症:ナルシストタイプの原因」のひとつと考えることができます。

 

回避依存症の原因:「アダルトチルドレン」

回避依存症の原因はアダルトチルドレンであることを表すイラスト

前述の通り、「ナルシストタイプ」をはじめとする「回避依存症の原因」には、子どもの頃に親から受けた子育ての影響や、子どもの頃に一緒に過ごした家族の影響など、子どもの頃の家庭環境が密接に関わっており、子どもの頃、親から受けた子育て・家族の様子・家庭環境に何らかの問題があった場合、その影響により「回避依存症」になる可能性が高いと言えます。

 

「回避依存症の克服」とは、アダルトチルドレンを克服すること

このとき、子どもの人生に悪影響を与えるような問題のある子育てを行う親を「毒親」と言い、子どもの人生に悪影響を与えるような問題のある家庭を「機能不全家族」と言います。

そして、機能不全家族で育った(毒親に育てられた)ことが原因で、大人になって、恋愛を含む人間関係全般に問題を抱えている人を「アダルトチルドレン」と言います。

「アダルトチルドレン」とは、機能不全家族で育ったことにより、「親から守られる」「適切な教育を受ける」などの正常な成長過程をたどれず、成人してからも生きにくさや心に傷を抱えている人のことをさします。

引用元:機能不全家族で育った大人「アダルトチルドレン」を克服するには?

また、「回避依存症」とは、アダルトチルドレンの特徴のひとつとも言われています。

回避依存症は、アダルトチルドレンの表れ方のひとつです。…(中略)…親子関係や周囲の大人との間で、消耗し枯渇する感覚や、飲み込まれそうな感覚を体験してきました。

引用元:回避依存症

このように、「回避依存症になる原因」とは、「子どもの頃、機能不全家族で育った影響」や「子どもの頃、毒親に育てられた影響」である可能性が高い、すなわち、「回避依存症になる原因」は「アダルトチルドレン」と密接な関係にあると言えます。

反対に言えば、「機能不全家族で育った(毒親に育てられた)影響」である「アダルトチルドレン」を克服することが、「回避依存症の克服」に繋がると考えることができます。

 

なお、「アダルトチルドレンとは何か?」については以下の記事で詳しく解説していますので、必要な方は参考にしてください。

 

「アダルトチルドレン(回避依存症)」の克服方法

そもそも「アダルトチルドレン(AC概念)」とは、1970年代、アメリカのアルコール依存症の治療現場から広がり始めた考え方で、1980年代になると、さまざまな専門家たちが「アダルトチルドレンの原因」や「アダルトチルドレンの克服方法」について研究を行い始め、今では、アメリカのソーシャルワーカー・社会心理学博士「クラウディア・ブラック」によって、「アダルトチルドレンからの回復プロセス」がしっかりと確立されています。

とはいえ、前述の通り「回避依存症になる原因」とは、子どもの頃に負った「幼少期のトラウマ」が密接に関わっており、「幼少期のトラウマ」とは、「なかなか思い出しづらい『遠い昔の記憶』」であるのと同時に、「できれば思い出したくない『傷ついた記憶』」でもあります。

よって、「幼少期のトラウマ」を思い出そうと過去を振り返っても、自分1人ではなかなか思い出せなかったり、なかなか受け入れられない場合があります。

以上のことから、カウンセリングを利用して、カウンセラーの協力を得ながら「アダルトチルドレンからの回復プロセス」を進めることで「アダルトチルドレンの克服」が可能となり、アダルトチルドレンの克服をすることで「回避依存症の克服」ができると言えます。

 

なお、「クラウディア・ブラック」が示した「アダルトチルドレンからの回復プロセス」については以下の記事で詳しく解説していますので、是非お読み下さい。

 

まとめ

さいごに、本記事の重要ポイントをまとめます。

回避依存症:ナルシストタイプの原因」としては、以下の点があげられます。

  • POINT「両親がパートナーを見下す様子」を「負の世代間連鎖」で無意識に繰り返すため
  • 「家庭に不在がちな父親」「過保護な母親」に育てられた影響で、「幼児的万能感」が強く残っているため
  • 「愛着障害」の影響で、「自己愛の歪み」が生じている

また、本記事に関する関連記事を以下に紹介します。

是非、あわせてお読みください。

なお、本記事に関する関連情報は、以下のページでもまとめていますのであわせて紹介します。

以上、「回避依存症:ナルシストタイプの原因」という記事でした。

この記事を書いた人

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はじめまして「メンタル心理そらくも 代表:寺井啓二」です。うつ、アダルトチルドレンを克服した経験を持つ心理カウンセラーです。自らの克服経験を世の中に役立てたいと考えています。

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