
POINT機能不全家族の原因となる「父親」の特徴としては、
- 家庭に不在がち
- 世間体を重視する
- 暴言・モラハラ
- 暴力(DV)
- 家族と不仲
- 男尊女卑・きょうだい差別
などがあげられます。
ただし、こうした特徴があるからといって、すべての父親が同じ原因を持つわけではありません。
大切なのは、父親の言動によって家庭の安心感や子どもの心がどのような影響を受けていたのかを整理することです。
セルフチェック
この記事で解説するような「父親の特徴」に心当たりがある場合、
自分自身への影響を整理してみることも大切です。
まずはセルフチェックで
「毒親育ちの影響」を確認してみてください。
心理カウンセラーの寺井です。
機能不全家族の原因となる「親」は「毒親」と呼ばれる場合もあります。
また、その親自身も、子どもの頃に安心できない家庭環境で育っていたり、自分の気持ちを十分に受け止めてもらえなかったりした経験を持つ場合があります。
そのような家庭環境の中で身についた「心の習慣」や、傷ついた経験から生まれた「心の反応」が、大人になった現在の家族関係や子育てに影響することがあります。
こうした影響が世代を超えて繰り返されることを「世代間連鎖」と呼ぶ場合がありますが、親と同じ家庭環境で育ったからといって、必ず同じ子育てを繰り返すわけではありません。
また、機能不全家族で育った大人は「アダルトチルドレン」と呼ばれる場合があります。
ちなみに、この記事は「機能不全家族の原因となる『父親』の特徴」についての解説です。
「機能不全家族の原因となる『母親』の特徴」については、以下の記事で詳しく解説しています。
それでは、機能不全家族の原因となる「父親」について解説していきます。
機能不全家族の原因となる「父親」の特徴
「機能不全家族」とは、家族が安心して生活し、互いの気持ちや意思を尊重しながら関わるといった、家庭に必要な働きが十分に機能していない状態を指します。
そのため、「父親に問題があるかどうか」を肩書きや性格だけで判断するのではなく、父親の言動によって家庭の安心感が損なわれていないか、子どもが自分らしく過ごせているかという視点で考えることが大切です。
また、父親自身も過去の家庭環境の中で、
- 弱音を吐いてはいけない
- 失敗してはいけない
- 父親ならこうあるべきだ
などの考え方を身につけている場合があります。
そうした「心の習慣」や「心の反応」が強く残っていると、自分では家族を守ろうとしているつもりでも、結果として家族を苦しませてしまうことがあります。
ここでは、機能不全家族の原因となる「父親」の特徴として、以下の6点を紹介します。
POINT
- 家庭に不在がち
- 世間体を重視する
- 暴言・モラハラ
- 暴力(DV)
- 家族と不仲
- 男尊女卑・きょうだい差別
それでは、それぞれ詳しく見ていきましょう。
①家庭に不在がち
父親が仕事などで家を空ける時間が長いこと自体が、ただちに機能不全家族の原因になるわけではありません。
重要なのは、家にいる時間の長さだけではなく、家庭の出来事に関心を持ち、家族と気持ちを交わし、家庭を一緒に支えているかという点です。
たとえば、
- 仕事を理由に家族との会話をほとんど持たない
- 子どもの悩みや学校生活に関心を示さない
- 家庭内の問題を配偶者だけに任せる
などの状態が続けば、父親が家にいても子どもには「父親がいないように感じる」ことがあります。
つまり、「家庭に不在がち」とは、物理的な不在だけではなく、心理的に家庭へ関わらない状態も含みます。
父親が家庭への関わりを避け続ける背景には、
- どう関わればよいかわからない
- 失敗したくない
- 仕事をして家族を養うことが父親の役割だ
と考えている場合もあります。
しかし、その結果として一方の親に家庭の負担が集中したり、子どもが「自分には関心を持ってもらえない」と感じたりすれば、家庭の安心感は損なわれていきます。
このように、家庭への関わりが乏しく「不在」の状態が続くことは、機能不全家族の原因となる父親の特徴のひとつと言えます。
なお、「家庭に不在がちな父親」のように「子どもへの関心や関わりが乏しい親の特徴」については、以下の記事でも詳しく説明しています。
②世間体を重視する
機能不全家族の原因となる父親の中には、「家族がどう感じているか」よりも「周囲からどう見られるか」を重視する人がいます。
たとえば、
- 父親ならこうあるべきだ
- 子どもはこうあるべきだ
- 立派な家庭に見られなければならない
といった「~しなければならない(MUST)」が強くなると、
子ども本人の「こうしたい(WANT)」や「嫌だ・不安だ(FEEL)」より、親の理想を優先しやすくなります。
その結果、子どもの進学・就職・恋愛・結婚などに必要以上に口を出し、親の望む方向へコントロールしようとする場合があります。
世間体を重視する父親に見られる干渉の例
- 「子どもの進学先」を親が決めようとする
- 「子どもの就職先」を社会的評価で判断する
- 「恋愛相手・結婚相手」を親の価値観で否定する
- 成人後も「子どもの生き方」に強く干渉する
もちろん、親が子どもの将来を心配して助言すること自体は自然なことです。
問題になるのは、子どもの意思や気持ちを聞かず、親の価値観を一方的に優先し続けることです。
こうした関係が続くと、子どもは「自分がどうしたいか」より「父親に認めてもらえるか」を優先するようになり、大人になってからも自分の判断に自信を持ちにくくなる場合があります。
よって、家族の気持ちより世間体を優先し、子どもの人生を強くコントロールすることは、機能不全家族の原因となる父親の特徴のひとつと言えます。
なお、「過干渉な親の特徴」については、以下の記事で詳しく説明しています。
③暴言・モラハラ
家庭は、本来、子どもが失敗したり弱音を吐いたりしても安心して過ごせる場所であることが大切です。
しかし、
- 父親が大声で怒鳴る
- 人格を否定する
- 家族を見下す
- 不機嫌や無視によって相手を従わせる
などの言動を繰り返すと、家庭は安心できる場所ではなくなります。
モラハラ父親に見られやすい言動
- 些細なことで大声で怒鳴る
- 「お前は何もできない」など人格を否定する
- 失敗や欠点を何度も持ち出して執拗に責める
- 自分の考えを正しいものとして一方的に押しつける
- 不機嫌・無視・威圧によって家族を従わせる
- 妻や子どもなど家族を見下す
こうした言動が続くと、子どもは「また怒られるかもしれない」と父親の表情や機嫌を常に確認するようになり、自分の気持ちより父親の気持ちを優先する「心の反応」を身につける場合があります。
父親自身も、過去の家庭環境の中で
- 強くなければならない
- 言うことを聞かせなければならない
といった心の習慣を身につけている場合があります。
ただし、父親自身に過去の傷つきがあることと、現在の暴言やモラハラが許されることは別の問題です。
よって、家族を精神的に傷つけ、安心して気持ちを表現できなくさせる「暴言・モラハラ」は、機能不全家族の原因となる父親の特徴のひとつと言えます。
なお、「過干渉や支配によって子どもをコントロールする父親」については、以下の記事で詳しく説明しています。
④暴力(DV)
子どもが健全に成長するためには、
- 家に帰れば安心できる
- 家族に傷つけられない
と感じられる環境が必要です。
ところが、父親が家族に暴力を振るうと、家庭そのものが恐怖を感じる場所になってしまいます。
また、子ども本人を直接殴っていなくても、
POINT
- 物を投げる
- ドアを強く閉める
- 壁や家具を叩く
- 物に当たって大きな音を立てる
などの行為は、子どもに強い恐怖や緊張を与えることがあります。
父親が怒りを爆発させる背景には、過去の強いストレス体験やトラウマ、感情をうまく整理できない状態などが影響している場合があります。
しかし、背景を理解することは、暴力を正当化することではありません。
また、自分が子どもの頃に暴力を受けていたからといって、必ず自分の子どもにも暴力を繰り返すわけではありません。
一方で、過去の家庭環境で身についた問題解決の方法や「心の反応」が、現在の家族関係に影響することはあります。
こうした世代を超えた影響については、個人の運命としてではなく、変えていくことができるものとして考えることが大切です。
よって、家族に恐怖を与え、家庭の安全を失わせる「暴力(DV)」や威圧的な行為は、機能不全家族の原因となる父親の特徴のひとつと言えます。
なお、「子どもを否定する親の特徴」と「虐待が世代間連鎖する原因」については、以下の記事で詳しく解説しています。
⑤家族と不仲
機能不全家族では、父親と子どもの関係だけでなく、両親の不仲や夫婦間の緊張が家庭全体に影響している場合があります。
たとえば、
POINT
- 父親が家族との会話を避ける
- 家族の意見を聞かない
- 家族の問題に関わろうとしない
- 話し合いになると怒り出す
といった状態が続けば、家族は次第に父親との会話を避けるようになることがあります。
その結果、父親自身が家族の輪から離れ、いわゆる「家族にハブられる父親」のような状態になる場合もあります。
ただし、家族仲が悪くなる原因はひとつではありません。
夫婦双方の関係、生活上のストレス、コミュニケーションの積み重ねなど、さまざまな要因が関係します。
大切なのは、「誰が悪いか」だけを決めることではなく、家庭の中で安心して話し合える関係が失われていないかを見ることです。
両親の不仲や家庭内の緊張が長く続くと、
子どもは、
- いつ喧嘩が始まるかわからない
- 自分が何とかしなければならない
と感じ、家庭にいても気持ちを休めにくくなります。
よって、家族との関係が断絶し、両親の不仲や家庭内の緊張が続いている状態は、機能不全家族の原因となる父親の特徴のひとつと言えます。
⑥男尊女卑・きょうだい差別
父親が「男だから」「女だから」「長男だから」といった価値観を強く持ち、その価値観によって子どもへの接し方に偏りが出る場合があります。
男尊女卑・きょうだい差別の例
- 「長男だから」という理由で特別扱いする、または過度な責任を負わせる
- 特定の子どもだけを褒め、ほかのきょうだいを比較・否定する
- 性別を理由に進学・仕事・恋愛・結婚の選択を制限する
- 「男は弱音を吐くな」「女は家事をするべき」など性別による役割を押しつける
こうした価値観の背景には、父親自身が子どもの頃に「男はこうあるべき」「長男はこうするべき」と教えられ、それを当然のものとして身につけてきた場合があります。
つまり、父親自身が持つ「~しなければならない(MUST)」という価値観が、そのまま子どもへ受け継がれていくことがあります。
その結果、子どもは自分の「こうしたい(WANT)」や「こう思う・こう感じる(FEEL)」より、父親から期待された役割を優先し、「期待に応えなければならない(MUST)」と感じる場合があります。
また、きょうだいによって扱いが大きく異なると、子ども同士の不信感や劣等感につながる場合もあります。
よって、子どもの意思より性別・出生順・親の価値観を優先する「男尊女卑・きょうだい差別」は、機能不全家族の原因となる父親の特徴のひとつと言えます。
機能不全家族チェックリスト
父親との関係に違和感を感じている方は、65項目のチェックリストで子どもの頃の家庭環境や親子関係を振り返ることができます。
なお、このチェックリストは医学的・心理学的な診断を行うものではありません。
なぜ父親の言動が機能不全家族につながるのか

ここまで紹介した6つの特徴には、それぞれ異なる背景があります。
そのため、「父親がこうなった原因はこれだ」とひとつに決めつけることはできません。
一方で、父親自身が育った家庭環境や、そこで身につけた価値観、感情への向き合い方、人との関わり方が、現在の家庭に影響している場合があります。
たとえば、子どもの頃から
- 弱音を吐いてはいけない
- 親に逆らってはいけない
- 失敗してはいけない
と感じながら育った人は、大人になってからも同じ「心の習慣」を持ち続ける場合があります。
また、過去に感じた怒り・悲しみ・寂しさ・不安・恐怖などが十分に整理されていないと、現在の家族関係の中で強い「心の反応」として表れることもあります。
その結果、本人は「家族のため」「子どものため」と思っていても、過干渉・暴言・威圧・無関心などの形で家族を傷つけてしまう場合があります。
しかし、過去の家庭環境が現在に影響していることと、その影響を一生変えられないことは同じではありません。
自分の心の習慣や反応に気づき、これまでの経験を整理していくことで、世代間連鎖を自分の代で断ち切っていくことは可能です。
父親との関係で子どもに残りやすい「心の反応」

父親が怒鳴る、無視する、家族を支配する、家庭に関わらないといった状態が長く続くと、子どもはその環境の中で自分を守るための「心の反応」を身につける場合があります。
子どもに残りやすい心の反応
- 父親の顔色や機嫌をいつも確認する
- 自分の気持ちより相手の気持ちを優先する
- 問題が起きると「自分が悪い」と考える
- 認めてもらうために頑張り続ける
- 家族の問題を「自分が何とかしなければ」と背負う
- 嫌なことがあっても「我慢しなければ」と感じる
これらは、子ども時代の環境の中では、自分を守り、家族との関係を保つために必要だった反応かもしれません。
しかし、その心の反応が大人になってからも続くと、
- 人の顔色を気にしすぎる
- 断れない(Noと言えない)
- 頑張りすぎる
- 自分を責める
といった生きづらさにつながる場合があります。
大切なのは、「自分の性格が悪い」と考えるのではなく、「これまでの環境の中で身につけた心の習慣や反応かもしれない」と整理してみることです。
毒親である父親の特徴

ここまで説明したように、父親の言動によって家庭の安心感が失われ、子どもの心身の成長や大人になってからの生き方にまで影響が残る場合があります。
このように、結果として子どもの人生に継続的な悪影響を与えてしまう親を「毒親」と呼ぶ場合があります。
毒親である父親には、たとえば以下のような特徴が見られます。
POINT
- 子どもの人生に過干渉する
- 子どもの気持ちや考えを否定する
- 子どもに無関心である
- 不機嫌・威圧・八つ当たりで家族を動かそうとする
- 暴言・暴力によって家族を傷つける
「毒親である父親」の特徴については、以下の記事で詳しく解説しています。
まとめ
さいごに、本記事の重要ポイントをまとめます。
「機能不全家族の原因となる父親の特徴」として、本記事では以下の6つを解説しました。
POINT
- 家庭への関わりが乏しく「家庭に不在がち」
- 家族の気持ちより「世間体を重視する」
- 家族に「暴言・モラハラ」を行う
- 暴力や物に当たるなど「暴力(DV)・威圧」によって恐怖を与える
- 「両親の不仲」を含め、家族との関係が断絶している
- 「男尊女卑・きょうだい差別」など、親の価値観を子どもに押しつける
こうした家庭で育った子どもは、
- 父親の顔色を気にする
- 自分の気持ちを我慢する
- 頑張りすぎる
- 自分を責める
などの「心の反応」を身につける場合があります。
もし現在の生きづらさに父親との関係が影響していると感じても、「自分が悪い」「自分の性格だから仕方がない」と考える必要はありません。
これまでの家庭環境の中で身につけた「心の習慣」や「心の反応」を整理していくことで、少しずつ本来の自分・本来の力を取り戻していくことは可能です。
父親との関係が自分にどのような影響を与えてきたのかを理解するには、家庭環境や親子関係を振り返ることが大切です。
機能不全家族の特徴や原因、母親との関係、世代間連鎖について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
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