POINTアダルトチルドレンの回復過程「ステップ②:過去と現在をつなげる」とは、「過去(幼少期)の体験」が、現在の自分にどのような影響を与えているか?を理解することです。
心理カウンセラーの寺井です。
「アダルトチルドレン」とは、「機能不全家族」で育ったことにより、大人になっても「生きづらさ」を感じ続けている人たちを指します。
そして、この「アダルトチルドレン(AC)概念」の生みの親である、アメリカのソーシャルワーカー・社会心理学博士「クラウディア・ブラック」は、「アダルトチルドレンからの回復プロセス」として、次の「4つのステップ」を示しました。
アダルトチルドレン回復の4ステップ
- 「ステップ1=過去の喪失を探る」
- 「ステップ2=過去と現在をつなげる」
- 「ステップ3=取りこんだ信念に挑む」
- 「ステップ4=新しいスキルを学ぶ」
ちなみに、この記事は「アダルトチルドレンの回復過程のステップ②:『過去と現在をつなげる』」についての解説です。
なお、『ステップ①』『ステップ④』については、以下の記事で詳しく解説しています。
それでは、アダルトチルドレンの回復過程のステップ②:「過去と現在をつなげる」について解説していきます。
ACの回復過程:ステップ②「過去と現在をつなげる」
「アダルトチルドレン(AC概念)」の生みの親である「クラウディア・ブラック」は、「アダルトチルドレンの回復過程のステップ②:『過去と現在をつなげる』」について、以下のように解説しています。
ステップ2=過去と現在をつなげる:過去の痛みが、現在の自分にどう影響しているかを調べる。感情レベルではなく冷静に自分を振り返る作業。自分の過去は、現在の自己イメージにどう影響している?人間関係にどう影響している?職場での私・親としての私にどう影響している?・・・など。こうして、自分の中にある課題に気づく。
以上のことから、「過去と現在をつなげる」とは、以下の4つの作業にわけて取り組む必要があります。
過去と現在をつなげる
- 「過去(幼少期)の体験」が、現在の自分にどのような影響を与えているか?を理解する(脚本分析)
- 「人生脚本」を原因とする「禁止令・ドライバーの影響」を理解する
- 「幼少期のトラウマ」を原因とする「PTSD(心的外傷後ストレス障害)の影響」を理解する
- 「アダルトチルドレンタイプ」を理解する
それでは、以下に詳しく解説していきます。
ステップ②-1:「過去(幼少期)の体験」の影響を理解する
「過去と現在をつなげる」とは、「『過去(幼少期)の体験』が、現在の自分にどのような影響を与えているか?」について理解をしていくことを指します。
例えば、「三つ子の魂百まで」という言葉がある通り、「幼少期の体験」が「人格形成」に多大な影響を与えることは科学的に証明されていることです。
「三つ子の魂百まで」この言葉を聞いたことがありますか。これは3歳頃までに人格や性格は形成され、100歳までそれは変わらない。という意味で使われることわざです。ことわざなんて迷信でしょと思われて方、この言葉についてはそんなことはありません。乳幼児期に人格形成の基本が出来上がるということは科学的に証明されています。引用元:乳幼児教育で絶対に意識したい「三つ子の魂百まで」
このように、「幼少期の体験」が「人格形成」に多大な影響を与えることは、心理学に限らず「乳幼児の教育・子育て」においても重要視されています。
②-1-1:幼少期の体験の影響:「人生脚本」
とくに「交流分析」という心理学では、「人格形成」は、「3歳~14歳(第一反抗期~第二反抗期のあいだ)に親から受けたメッセージ(親から受けた子育て)の影響」を強く受けていると言われ、幼少期に親から受けた子育ての影響によって身に付けた「生き方・考え方・思考・行動」などの「思考・行動パターン(習慣)」を「人生脚本」と呼び重要視しています。
人生脚本とは、エリック・バーンが提唱した心理学理論です。幼少期に自分自身の人生脚本を描き、その通りになるとされています。人生脚本の大部分は親からのメッセージにより決定されます。無意識のうちに生き方を決め、それに従い行動するということです。
引用元:人生脚本とは
このように、「アダルトチルドレンとは、親から受けた子育ての影響で子どもの頃に身に付けた『“生きづらい”思考・行動パターン(人生脚本)』を、大人になっても無意識に繰り返している人」と言い換えることができます。
②-1-2:過去と現在をつなげる:「脚本分析」
反対に言えば、アダルトチルドレンの生きづらさの原因である『“生きづらい”思考・行動パターン(人生脚本)』は、親から受けた子育ての影響によるものである以上、「生まれながらの先天的(遺伝的)なもの」ではなく、あくまで「生まれた後に身に付けた後天的(習慣的)なもの」であり、「生まれた後に身に付けた習慣」である以上、一生変えられないものではなく、生活習慣などと同じく、ポイントを抑えて取り組むことによって改善することができると言えます。
なお、親から受けた子育ての影響によって形成される「人生脚本」は、概ね、以下の「4つのパターン」にわかれると考えられています。
「人生脚本」4つのパターン
- 「成功者」の人生脚本
・自己肯定感が高く、自分の夢や希望を叶え続けようとする思考・行動パターン - 「平凡」な人生脚本
・自己否定と自己肯定を繰り返したり、少しの不満と少しの満足を繰り返したり、いわゆる一般的で普通の状態を繰り返そうとする思考・行動パターン - 「敗者」の人生脚本
・自分を否定的に捉えたり、失敗が受け入れらず言い訳が多くなったり、他人のせいや他人の悪口を言ってしまったり、失敗から学べず、失敗を繰り返してしまう思考・行動パターン - 「破滅型」の人生脚本
・依存症・過食・拒食など嗜癖を繰り返したり、犯罪・自殺などに陥りやすい、仕事・ギャンブルにのめり込む、金銭に囚わる、自分を厳しく追い込むなど、自分を粗末にしてしまうことを繰り返してしまう思考・行動パターン
また、親から受けた子育ての影響で子どもの頃に身に付けた「思考・行動パターン(人生脚本)」を、認識・理解・分析・改善する作業を「交流分析」という心理学では「脚本分析」と言います。
脚本分析とは、無意識のうちに繰り返してしまう人生のパターンを分析し、改善していくためのものです。例えばいつも恋愛で同じような別れ方になったり、仕事で同じような辞め方を繰り返すケースがあります。これらは本人も無意識のうちに繰り返していて、自覚はありません。
引用元:脚本分析(人生脚本)とは
このように、「過去(幼少期)の体験」は、自らの「人格形成」に多大な影響を与えているものの、「生まれた後に身に付けた習慣」である以上、一生変えられないものではなく、改善は可能であると言えます。
ステップ②-2:「禁止令・ドライバー」の影響を考える
前述の通り、「アダルトチルドレンとは、親から受けた子育ての影響で子どもの頃に身に付けた『“生きづらい”思考・行動パターン(人生脚本)』を、大人になっても無意識に繰り返している人」と言えます。
そして、「“生きづらい”思考・行動パターン(人生脚本)」とは、主に「禁止令」と「ドライバー」という「2つの否定的な価値観」で形成されています。
人生の脚本の根幹は、両親から子どもに向かって発せられる無言のメッセージ(禁止令)です。大部分は生きて行くうえでのしつけともいえますが、脚本形成に大きな影響をもたらします。
引用元:人生脚本分析|12の禁止令
このように、「禁止令・ドライバー」とは、親が子どもに対して「ありのままの感情表現」や「ありのままの自己表現」を否定した言動を指し、親から「禁止令・ドライバー」を多く言われて育った子どもは、その影響として、大人になっても「自己否定感の強い思考・行動パターン(人生脚本)」を無意識に繰り返すと考えられています。
②-2-1:「禁止令」の具体例
子どもの頃に親から言われた言葉のうち、「~するな!」「~しちゃダメ!」「~しないほうがいい!」など、何かを禁止された指示・命令のことを「禁止令」と呼びます。
禁止令とは心理学者エリックバーン博士によって開発された自己分析法で、文字通り「〇〇してはいけない」という「禁止」の「命令」のことです。…(中略)…幼いころに親などの養育者から否定的・禁止的な命令や態度を繰り返し受けることで、自らの思考や行動の制限を課してしまうものです。
そして、「禁止令」とは、何かを「我慢」したり「抑圧」する「思考・行動パターン」となって人生に影響を与え続けています。
具体的には、カウンセリングの現場では以下のような「禁止令」に注目していきます。
「禁止令」の具体例
- 失敗してはいけない、休んではいけない、諦めてはいけない、泣いてはいけない、怖がってはいけない、弱音を吐いてはいけない、他人を信じてはいけない、わがままを言ってはいけない、迷惑をかけてはいけない、幸せになってはいけない、目立ってはいけない…など
このように、アダルトチルドレンが抱える生きづらさとは、「子どもの頃に親から受けた子育ての影響によって身に付けた『禁止令の影響』である」と、過去と現在をつなげて考えることができます。
②-2-2:「ドライバー」ーの具体例
同じように、子どもの頃に親から言われた言葉のうち、「~しろ!」「~しなさい!」「~したほうがいい!」など、何かを煽り立てられた指示・命令のことを「ドライバー(拮抗禁止令)」と呼びます。
拮抗禁止令とは、幼少期に親の役割をもつ人から与えられた「〇〇しなさい」「〇〇したほうがよい」「〇〇であるべき」という、いわゆる「〇〇しろ」というメッセージを受けて、そのよう生きていこうと「決断」することで自らに課したものです。…(中略)…ドライバーというその名の通り、その人の行動を駆り立ててしまうのです。
そして、「ドライバー」とは、「頑張る」「急ぐ」という「思考・行動パターン」となって人生に影響を与え続けています。
具体的には、カウンセリングの現場では以下のような「ドライバー」に注目していきます。
「ドライバー」の具体例
- 完璧でなければならない、もっと頑張らなければならない、限界まで全力を尽くさねばならない、世の中の役に立たねばならない、人に尽くさねばならない、早くしなければならない、もっと強くならなければならない、油断してはならない…など
このように、アダルトチルドレンが抱える生きづらさとは、「子どもの頃に親から受けた子育ての影響によって身に付けた『ドライバーの影響』である」と、過去と現在をつなげて考えることができます。
なお、「禁止令とドライバー」については以下の記事で詳しく解説していますので、必要な方は参考にしてください。
ステップ②-3:「PTSD」の影響を考える
前述の通り、「過去(幼少期)の体験」は、自らの「人格形成」に多大な影響を与えていると言えます。
とくに、発達途上である子どもが、信頼しきっている親から「心の傷(幼少期トラウマ)」を負わされるような体験をした場合、子どもは発達途上がゆえに自らが「心の傷(幼少期トラウマ)」を負ったこと自体を認識できず、長い潜伏期間を経て、大人になってから「生きづらさ」を自覚する場合があります。
トラウマを体験した子どもの中には、原因となる体験が自らにとって日常的過ぎてそれらを特別視していなかったり、辛い嫌な記憶そのものが防御反応的に抜け落ちていたりすることもあります。思春期以降、大人になって自分の生きづらさを自覚するようになり、それが幼少期に負ったトラウマだからであると気付くことも少なくありません。こういった意味でも幼少期に受けた傷は、長期の潜伏期間を経て、後々に出現することもあるのです。
引用元:トラウマが人生に与える影響とは
また、アダルトチルドレンが抱える生きづらさのように、子どもの頃に「心の傷(幼少期トラウマ)」を負ったことが原因で、大人になって「生きづらさ」を感じる症状を、精神医学では「複雑性PTSD」と診断する場合があります。
複雑性PTSDとは、幼少期からの虐待経験やいじめなど長期的かつ反復的に逃れがたい状況や体験をし、身体的・精神的症状が生じることを指します。PTSDの症状に加えて、感情的なコントロールの困難さから慢性的に対人関係に支障が出ると言われています。
このように、アダルトチルドレンが抱える生きづらさとは、「子どもの頃に「心の傷(幼少期トラウマ)」を負ったことによる『複雑性PTSDの症状』である」と、過去と現在をつなげて考えることができます。
ステップ②-4:「アダルトチルドレンタイプ」を理解する
このように、「過去と現在をつなげる」すなわち「『原因』と『結果』の法則」に沿って理知的に考えると、アダルトチルドレンが抱える生きづらさとは、以下のように考えることができます。
POINT
- 「人生脚本(禁止令とドライバー)」が原因で起きている「自己否定感」
- 「心の傷(幼少期トラウマ)」が原因で起きている「複雑性PTSD」
このように、「アダルトチルドレンの生きづらさ」とは、「子どもの頃、どのような家庭環境で育ってきたか?」「子どもの頃、どのような養育を受けてきたか?」によって、人それぞれ「生きづらさの特徴」が異なってきます。
そこで、アダルトチルドレンの克服を目的とした心理カウンセリングでは、人それぞれが抱える「生きづらさの特徴」を認識しやすくする(過去と現在をつなげる)工夫として「アダルトチルドレンタイプ」という概念を用います。
このように、「アダルトチルドレンタイプ」とは、以下のような点に理解を深めるための概念と言えます。
POINT
- 人それぞれが抱える「生きづらさの特徴」から、その人が「どのような家庭環境で育ったか?」あるいは、その人が「どのような親子関係であったか?」を知ることができる
- 自分が生きづらいのは、「自分が悪いのではなく、○○な家庭環境で育った影響なのだ…」あるいは「自分が悪いのではなく、親の子育てに問題があったからなのだ…」と考えることができる
それでは、「アダルトチルドレンタイプ」について、以下に詳しく解説していきます。
②-4-1:「機能不全家族」と「ストローク(心の栄養)」
まず、「子どもが『過去の喪失(幼少期のトラウマ)』を負うような子育てが行われている家庭」すなわち「アダルトチルドレンを生みだす原因となる家族」を「機能不全家族」と言います。
「アダルトチルドレン」とは、機能不全家族で育ったことにより、「親から守られる」「適切な教育を受ける」などの正常な成長過程をたどれず、成人してからも生きにくさや心に傷を抱えている人のことをさします。
まず、子どもは、親に褒めてもらえたり、親に認めてもらえると「嬉しさ」や「安心」を感じることができます。
このように、「親に褒めてもらえた」「親に認めてもらえた」など、自分の存在を肯定してもらえた言動や働きかけを、「交流分析」という心理学では「ストローク」と言います。
また、ストロークは「心の栄養」とも呼ばれます。
交流分析の創始者であるエリック・バーンは、人の存在や価値を認める刺激(言動や働きかけ)のことをストロークと名付けました。ストロークは「心の栄養」とも呼ばれ、人が生存するためには不可欠なものとされています。
このように、子どもが心身共に健全な成長をしていくためには、親から「ストローク(心の栄養)」を与えてもらう必要があります。
ですが、「機能不全家族」とは、「家庭が果たすべき機能がうまくいっていない状態」を意味します。
ですので、「機能不全家族とは、子どもに対して『ストローク(心の栄養)』を十分に与えられない家庭」と言い換えることができます。
なお、「機能不全家族」については以下の記事で詳しく解説していますので、必要な方は参考にしてください。
②-4-2:「ストローク(心の栄養)不足」と「アダルトチルドレンタイプ」
このように、「機能不全家族」で育った子どもは、親からの「ストローク(心の栄養)」が不足している場合が多いため、「ストローク(心の栄養)不足」を補うために「親の気を引く行動」をとるようになります。
特に子どもは、ストローク不足が命に関わるほど大きな問題になります。そのため、子どもはストローク不足になると、それを解消するために、危険行動や親が困ることをして、親の気を引く行動を取ります。子どものストローク不足が解消するまで続きます。これは子どもの問題行動で、ストローク不足のサインです。
引用元:心の栄養 ストローク
このとき、「ストローク(心の栄養)不足」を満たそうとするために子どもがとる「親の気を引こうとする行動」あるいは「ストローク(心の栄養)」を満たしてもらうことと引き換えに「親に担わされた家庭での役割」を、アメリカの心理療法家「ウェイン・クリッツバーグ」は「アダルトチルドレンタイプ」としてまとめました。
アメリカのセラピスト、クリッツバーグ(Kritsberg,W)が1985年に出した『ACOA症候群(The Adult Children of Alcoholics Syndrome)』という本の中で、成人してアダルトチルドレンとなった人々が、子ども時代に機能不全家族のなかで、どのような役割を担わされていたかについて言い表したものです。
引用元:アダルトチルドレン6つの役割
このように、「アダルトチルドレンタイプ」とは、「『ストローク(心の栄養)不足』を満たそうとするあまり、知らず知らずのうちに身に付けた「“生きづらい”思考・行動パターン(人生脚本)」を表すものであり、「『ストローク(心の栄養)不足』を満たしてもらうことと引き換えに、知らず知らずのうちに親に担わされた家庭での役割」を表したものです。
②-4-3:アダルトチルドレン「7つ」のタイプ
また、「ウェイン・クリッツバーグ」は、「機能不全家族」で育った子どもたちが持つ「“生きづらい”思考・行動パターン(人生脚本)」を、「①ヒーロータイプ(英雄役)、②スケープゴート(身代り役)、③ロストワン(いない子)、④ピエロタイプ(おどけ役)、⑤イネイブラー(支え役)、⑥プラケーター(慰め役)」の「6つのタイプ」にまとめました。
ですが、近年では上記の「6タイプ」に加え、「ケアテイカー(世話役)」という「アダルトチルドレンタイプ」も注目されることが多いことから、当社メンタル心理そらくもの「アダルトチルドレンタイプ診断」では、「ウェイン・クリッツバーグ」がまとめた上記の「6タイプ」に「ケアテイカー(世話役)」もプラスして、以下の「7タイプ」を使用しています。
POINT
- 「ヒーロータイプ(英雄役)」
「勉強・スポーツ」などで活躍を示すなど、「優秀な人間(英雄的存在)」となることで家族を支える - 「スケープゴート(身代り役)」
家族からの「八つ当たり」を黙って一身に受けとめるなど、「家族のストレスのはけ口(身代りの犠牲者)」となることで家族を崩壊から防ぐ - 「ロストワン(いない子)」
自我を抑え込んだり一人で過ごすなど、「自分の存在感を消す(いない子になる)」ことで家族の負担を減らす - 「ピエロタイプ(おどけ役)」
「家族のストレスや緊張」を和らげるため、おどけたり笑顔を振りまくなど、「ムードメーカー(おどけ役)」となって家族の雰囲気を和ませる - 「ケアテイカー(世話役)」
「病気の家族の看病」をしたり「幼い弟妹の面倒」を見るなど、「父親代わり・母親代わり(世話役)」となって家族の世話をする - 「イネイブラー(支え役)」
「苦労する母親」を支えたり「不甲斐ない父親」を支えるなど、「自己犠牲」によって家族を支える - 「プラケーター(慰め役)」
「落ち込んでいる家族」や「悩んでいる家族」に優しく寄り添うなど、「聞き役に徹する」ことで家族を慰める
このように、「アダルトチルドレンタイプ」について理解を深めることは、自らの「生きづらさの特徴」や「生きづらさの原因」について理解を深める(自分史の再構築)を行うことであり、心理カウンセラーとともに新たな視点で「自分」を見つめることで、「自分本来の個性や力(自然成長力・自然治癒力)を取り戻していく」ことができます。
なお、「自分に近い『アダルトチルドレンタイプ(人生脚本)』はどれか?」については、以下の「アダルトチルドレン(ac)タイプ診断」でチェックできますので、必要な方は参考にしてください。
ACの回復過程:ステップ③「取りこんだ信念に挑む」
次のステップは、「アダルトチルドレンの回復過程のステップ③:『取りこんだ信念に挑む』」です。
「アダルトチルドレン(AC概念)」の生みの親である「クラウディア・ブラック」は、「アダルトチルドレンの回復過程のステップ③:『取りこんだ信念に挑む』」について、以下のように解説しています。
ステップ3=取りこんだ信念に挑む:過去に取りこんだ「私は○○だ」「○○すべき」「○○であるべき」といった考え方やルールのうち、自分を苦しめているものを手放す。そして、別の考え方やルールに置き換える作業をする。たとえば「他人の要求になるべく応えるべきだ」→「私はイエス、ノーを自分で決めていい」「マイナスの感情をもつのはよくない」→「感情は自然にわいてくるもので、いい・悪いはない。すべて自分に大切なことを伝えている」のように。
以上のことから、「取りこんだ信念に挑む」とは、以下の3つの作業にわけて取り組む必要があります。
取りこんだ信念に挑む
- 「取り込んだ信念」を理解する
- 「取り込んだ信念に挑む」を理解する
- 「禁止令・ドライバー」を緩める(人生脚本の書き換え)
続きは、以下の記事で詳しく解説しています。
まとめ
さいごに、本記事の重要ポイントをまとめます。
- POINT幼少期に親から受けた子育ての影響によって身に付けた「思考・行動パターン(習慣)」を「人生脚本」と言う
- 「人生脚本」を、認識・理解・分析・改善する作業を「脚本分析」と言う
- 親から「禁止令・ドライバー」を多く言われて育った場合、大人になって「自己否定感の強い思考・行動パターン(人生脚本)」を繰り返しやすい
- 「禁止令」とは、何かを「我慢」したり「抑圧」する「思考・行動パターン」
- 「ドライバー」とは、「頑張る」「急ぐ」という「思考・行動パターン」
- アダルトチルドレンの生きづらさは、「人生脚本(禁止令とドライバー)」が原因で起きている「自己否定感」と言える
- アダルトチルドレンの生きづらさは、「心の傷(幼少期トラウマ)」が原因で起きている「複雑性PTSDの症状」と言える
- 「アダルトチルドレンタイプ」とは、アダルトチルドレンが持つ「人生脚本(生きづらさ)の特徴」を「6つのタイプ」にまとめたもの
- 「アダルトチルドレンタイプ診断」を行うことで、自分に近い「アダルトチルドレンタイプ(人生脚本)」を知ることができる
なお、本記事に関する関連情報は、以下のページにまとめていますので紹介します。
以上、「ACの回復過程:ステップ②『過去と現在をつなげる』の解説」という記事でした。