アダルトチルドレン:スケープゴート(身代り役)とは?「特徴・恋愛傾向・原因・克服方法」を徹底解説
POINTアダルトチルドレン:スケープゴートは「身代り役」と呼ばれ、子どもでありながら、「家族のストレスのはけ口(身代りの犠牲者)」となって家族の崩壊を防ごうとする存在で、「生贄(いけにえ)役、叱られ役、汚れ役、問題児」とも呼ばれます。
心理カウンセラーの寺井です。
「アダルトチルドレン」とは、「機能不全家族」で育ったことにより、子どもの頃に身に付けた「家庭での役割」が習慣化して性格として根付いてしまい、大人になって生きづらさを感じている人を意味する言葉です。
また、アメリカの心理療法家「ウェイン・クリッツバーグ」は、アダルトチルドレンが、子どもの頃に身に付けた「機能不全家族での役割」を「アダルトチルドレンタイプ」としてまとめました。
そして、「アダルトチルドレン:スケープゴート(身代り役)」とは、「ウェイン・クリッツバーグ」がまとめた「アダルトチルドレンタイプ(機能不全家族での役割)」のひとつにあたります。
ちなみに、「アダルトチルドレン:スケープゴート(身代り役)」にはいくつかの「別称」があり「スーパーチャイルド、小さな大人、小さな保護者」と呼ばれる場合もあります。
なお、本サイトにおける「アダルトチルドレンタイプ」は、以下の「7つ」を使用しています。
POINT
- 「ヒーロー(英雄役)」
- 「スケープゴート(身代り役)」
- 「ロストワン(いない子)」
- 「クラウン・ピエロ(道化・おどけ役)」
- 「ケアテイカー(世話役)」
- 「イネイブラー(支え役)」
- 「プラケーター(慰め役)」
また、スケープゴートは「身代り役」と呼ばれ、「家族の崩壊」を防ぐため、「家族のストレスのはけ口(身代りの犠牲者)」となって家族を支える存在で、子どもでありながら大人の役割を担う存在を意味します。
この記事は、アダルトチルドレン:スケープゴート(身代り役)について解説しています。
アダルトチルドレン:スケープゴート(身代り役)とは?
「スケープゴート(Scapegoat)」という言葉は「悪役」や「生贄(いけにえ)」を意味する言葉で、元々は聖書にある「贖罪(しょくざい)のヤギ」という言葉から来ており、「人々の罪を着せられた身代わりの犠牲者」という意味合いがあります。
そして、「アダルトチルドレン:スケープゴート」は「身代り役」と呼ばれ、親や家族から「無実の罪(冤罪)」を着せられたり「八つ当たり」をされても、「きっと自分に悪いところがあるのだろう」「きっと自分さえ我慢すれば家族がよくなるはずだ」と考え、「自分が家族のストレスのはけ口になる(身代りの犠牲者になる)」ことによって家族の崩壊を防ごうとする子どもを指します。
また、「アダルトチルドレン:スケープゴート(身代り役)」には、以下のようにいくつかの「別称」が存在します。
POINT
- 生贄(いけにえ)役、叱られ役、汚れ役、問題児
なお、本サイトでは以下の「2つの表記」に統一しています。
POINT
- アダルトチルドレン:スケープゴート(身代り役)
- スケープゴート
このように、スケープゴートとは「自分が身代わりの犠牲者になることで家族を崩壊から守ろうとする子ども」を意味し、「親や家族の鬱積した『負の感情(不満・憎しみ・怒り)』を黙って一身に受け止める」という特徴があるため、「家族のごみ箱」あるいは「家族のサンドバッグ」と呼ばれる場合すらあります。
また、スケープゴートのなかには「自ら進んで問題を起こすタイプ」も存在し、「自ら進んで問題を起こし、自分があえて『悪者』となって家族に嫌われることで、家族の負の感情(不満・憎しみ・怒り)を自分に集中させ、家族をひとつにまとめようとする」という点が特徴的です。
以上のことから、「周囲から見たスケープゴートの印象」は、大きく分けて以下の「2つ」にわけられます。
POINT
- 生贄型スケープゴート
自分に落ち度はなくても、自分があえて「身代りの犠牲者」となって「家族のストレスのはけ口」になることで、家族の精神的安定を図る - 自発型スケープゴート
自ら進んで問題を起こし、自分があえて「悪者」となって「家族に嫌われ者」になることで、家族をひとつにまとめようとする
このように、「生贄型スケープゴート」は「『自分がストレスのはけ口』になり『家族のストレス』を黙って一身に受け止めることで、家族を精神的に安定させる」という特徴があります。
また、「自発型スケープゴート」は「『自分が嫌われ者』になり『家族のストレス』を自分に集中させることで、家族をひとつにまとめる」という特徴があります。
反対に言えば、スケープゴートは表面的には「家族に叱られ、家族の手を煩わせ、家族に心配ばかりかける厄介者」に見えますが、実際には「『この子さえいなければ、家族はうまく行くのだ!』という『幻想』を家族に抱かせることによって、『家族の崩壊(両親の離婚・一家離散・育児放棄など)』を防ごうとしている」と言い換えることができます。
自分が問題児になる自発型スケープゴートも、親の生贄型スケープゴートも、ほかの家族に「この子さえいなければ、家族はうまくいくのだ」という幻想を抱かせ、機能不全家族を崩壊から守っているのは同じです。
なお、「スケープゴートが家族の崩壊を防ぐ様子」とは、主に以下の「具体例」があげられます。
POINT
- 「冤罪・差別・いじめ」を黙って我慢する
「無実の罪(冤罪)」や「八つ当たり」を受け入れて、「家族のストレスのはけ口になる」ことで家族を精神的に安定させる - 自傷行為を行う
「リストカット・過食・拒食・髪を抜く」を行い、家族に押し付けられたストレスを「自分を傷つける」ことで解消する - 非行行為・不良行為を行う
「怠学・窃盗・暴行・傷害・深夜徘徊・暴走行為」などを行い、「嫌われ者になる」ことで家族のストレスを自分に集中させ、家族をひとつにまとめる - 病弱になる
「病気・ケガ」の治療を疎かにして長引かせ、「病弱になる」ことで家族の関心を自分に集中させ、家族をひとつにまとめる
このように、スケープゴートは「機能不全家族で育った影響」により、「家族や集団の和のバランスを保つために自分を身代わりの犠牲者にする」という傾向があり、大人になってからも、「周囲から『無実の罪(冤罪)』を着せられたり『八つ当たり』」をされても黙って受け止めてしまう」あるいは「自ら進んで問題を起こし『汚れ役』を買って出てしまう」という特徴があります。
その影響で、スケープゴートは大人になってから、「どうせ自分には何の価値もない、どうせ自分ダメな人間だ、自分なんて生まれてこなければよかった」など「自己否定感・無価値感」を感じやすくなったり、「短気で怒りっぽい、不愛想で物言いがキツイ」など「自暴自棄」になりやすいと考えられています。
ですので、スケープゴートは大人になってから、周囲の人たちからは「あの人を怒らせると厄介だ」「あの人と関わると面倒だ」など「腫物扱い(厄介者扱い)」されてしまう場合があり、自分では気づかないうちに周囲の人たちから距離を置かれてしまうことが多く、「人間関係において『孤独感』や『疎外感』を感じやすくなる」と考えられています。
なお、スケープゴートは「男性」も「女性」もどちらも存在すると考えられており、「兄姉(年上のきょうだい)」が「ヒーロータイプ」である場合多く、兄弟姉妹のなかで「『優秀な兄姉(ヒーロータイプ)』と『厄介者の弟妹(スケープゴート)』という関係性である場合が多い」と考えられています。
アダルトチルドレン:スケープゴート(身代り役)の「心理的な特徴」
スケープゴートは、子どもの頃から「自分が家族のストレスのはけ口になる(身代りの犠牲者になる)」ことによって家族の崩壊を防ぎ続けてきたため、大人になっても「謂れのない『冤罪・差別・いじめ』を黙って受け止めてしまう」あるいは「あえて『悪者・嫌われ者』になろうとする」という点が最大の特徴です。
また、スケープゴートは「自分はダメな人間だ!自分には何の価値もない!」など「『自己否定感』や『無価値感』を強く感じる」という心理的な特徴があるため、大人になってから「『自傷行為』や『自暴自棄』を起こしやすい」という特徴があります。
なお、「スケープゴートの心理的な特徴」は、主に以下の「9つ」があげられます。
POINT
- 「冤罪・差別・いじめ」を黙って我慢する
- 自傷行為を行う
- 「自己否定感・無価値感」が強い
- 自暴自棄になる
- 問題行動を起こす
- 病弱になる
- 他者を信用できない
- 素直になれない・反抗心が強い
- 「疎外感・被害者意識」が強い
続きは、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
アダルトチルドレン:スケープゴート(身代り役)の「人間関係の特徴」
スケープゴートは、子どもの頃から「家族のストレスのはけ口」のような「役割」をこなしてきたため、大人になってからも、人間関係において「周囲の人たちのために犠牲(身代りの犠牲者)になろうとする」という点が最大の特徴です。
反対に言えば、スケープゴートは「周囲の人たちのために犠牲(身代りの犠牲者)になろうとするぶんだけ、自分を苦しめてしまう」と言えますし、「周囲の人たちのために犠牲(身代りの犠牲者)になろうとするぶんだけ、根は優しい性格である」とも言えます。
なお、「スケープゴートの人間関係の特徴」は、主に以下の「8つ」があげられます。
POINT
- 「いじめ・嫌がらせ」を受けやすい
- 「犯罪・詐欺」に巻き込まれやすい
- 問題児として扱われる
- 人間関係が長続きしない
- 周囲の人たちから距離を置かれる
- 「年長者」や「権威ある人」に反抗する
- 仕事が長続きしない
- 弱者に優しい
続きは、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
アダルトチルドレン:スケープゴート(身代り役)の「恋愛傾向」
前述の通り、スケープゴートの「恋愛思考パターン(愛着スタイル)」は、子どもの頃の「両親との関係性」が大きく影響しています。
また、スケープゴートは子どもの頃から「機能不全家族における『身代り役』」として、親や家族から「無実の罪(冤罪)」を着せられたり「八つ当たり」をされても黙って一身に受け止め、「自分が家族のストレスのはけ口になる(身代りの犠牲者になる)」ことで家族の崩壊を防いできました。
ですので、スケープゴートは「機能不全家族で育った影響」により、大人になって「周囲の人たちのために犠牲(身代りの犠牲者)になろうとする」という特徴があり、「恋愛関係」においても「恋人のために犠牲(身代りの犠牲者)になろうとする」という傾向があります。
よって、スケープゴートは大人になってからの「恋愛関係」においても、子どもの頃と同じように「身代り役」になりやすいという傾向があります。
また、スケープゴートは、子どもにとって「最も信頼したい擁護者」であるはずの「親や家族」から、「暴言・暴力」など「理不尽な扱い」を長年に渡って受け続けてきたため、大人になって「他者に対する警戒心が非常に強くなる」という特徴があり、「恋愛関係」において「恋人に対して素直になれない、恋人を疑いやすい、恋人から優しくされると戸惑ってしまう」という傾向があります。
なお、スケープゴートは「男性」も「女性」もどちらも存在すると考えられていることから、本記事では「スケープゴートの『男女』に共通する恋愛傾向」を「軸」に解説していきます。
また、「スケープゴートの恋愛傾向」は、主に以下の「9つ」があげられます。
POINT
- 両親と同じような恋愛をする
- 恋人に都合よく利用されてしまう
- 見捨てられ不安が強い
- 恋人の愛情を試す
- 恋人を疑う
- 幸せになるのが怖い
- 恋人に対して卑屈になる
- 厄介者に映るが根は優しい
- 恋人に親代わりを求める
続きは、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
原因・克服方法(準備中)
なお、アダルトチルドレン(AC)スケープゴート(身代り役)の「原因・克服方法」に関する記事は現在準備中です。準備ができ次第、順次公開致します。
準備中
- アダルトチルドレン(AC)スケープゴート(身代り役)が生まれる原因(準備中)
- スケープゴートの克服:インナーチャイルドセラピーによる克服方法(準備中)
まとめ
さいごに、本記事の重要ポイントをまとめます。
- POINTスケープゴートとは、「身代り役」という意味で「ス贄(いけにえ)役、叱られ役、汚れ役、問題児」とも呼ばれる
- スケープゴートの心理的な特徴は、「あえて『悪者・嫌われ者』になることで『周囲の和のバランスを保とうとする』」反面、「自傷行為・自暴自棄を起こしやすい」という点
- スケープゴートの人間関係は、「身代りの自己犠牲が多い」あまり、「人間関係が長続きしない」という点が特徴的
- スケープゴートの恋愛は、子どもの頃と同じように「身代り役」になりやすいという傾向がある
なお、本記事に関する関連情報は、以下のページにまとめていますのであわせて紹介します。
以上、「アダルトチルドレン:スケープゴート(身代り役)とは?『特徴・恋愛傾向・原因・克服方法』を徹底解説」という記事でした。