アダルトチルドレン:ヒーロー(英雄役)とは?「特徴・恋愛傾向・原因・克服方法」を徹底解説

2024年1月21日アダルトチルドレンアダルトチルドレンタイプ,ヒーロー(英雄役)

アダルトチルドレン_ヒーロータイプのイメージ

POINTアダルトチルドレン:ヒーローは「英雄役」と呼ばれ、子どもでありながら、「優秀な人間」や「リーダー的存在」となって家族の期待に応える存在で、「スーパーチャイルド、小さな大人、小さな保護者」とも呼ばれます。

心理カウンセラーの寺井です。

アダルトチルドレン」とは、「機能不全家族」で育ったことにより、子どもの頃に身に付けた「家庭での役割」が習慣化して性格として根付いてしまい、大人になって生きづらさを感じている人を意味する言葉です。

また、アメリカの心理療法家「ウェイン・クリッツバーグ」は、アダルトチルドレンが、子どもの頃に身に付けた「機能不全家族での役割」を「アダルトチルドレンタイプ」としてまとめました。

そして、「アダルトチルドレン:ヒーロー(英雄役)」とは、「ウェイン・クリッツバーグ」がまとめた「アダルトチルドレンタイプ(機能不全家族での役割)」のひとつにあたります。

ちなみに、「アダルトチルドレン:ヒーロー(英雄役)」にはいくつかの「別称」があり「スーパーチャイルド、小さな大人、小さな保護者」と呼ばれる場合もあります。

なお、本サイトにおける「アダルトチルドレンタイプ」は、以下の「7つ」を使用しています。

また、ヒーロータイプは「英雄役」と呼ばれ、「親や家族の期待」に応えるため、「優秀な人間(英雄的存在)」や「リーダー的存在(英雄役)」となって家族を支える存在で、子どもでありながら大人の役割を担う存在を意味します。

この記事は、アダルトチルドレン:ヒーロー(英雄役)について解説しています。

広告

アダルトチルドレン:ヒーロー(英雄役)とは?

アダルトチルドレン_ヒーロータイプとは何か?を表すイラスト

「ヒーロー」とは「英雄」を意味する言葉であり、「アダルトチルドレン:ヒーロー」は「英雄役」と呼ばれ、「機能不全家族」のなかで「親や家族の期待」に応えるために「勉強・スポーツ・習い事」で必死に努力を続けて「優秀な人間(英雄的存在)」になったり、「親」に代わって「家族の問題」を解決するなど「リーダー的存在(英雄役)」となって家族を支える子どもを指します。

このように、ヒーロータイプは子どもでありながら、まるで「リーダー・キャプテン・家長・保護者」のように家族の期待を一身に受ける存在で、子どもでありながら大人の役割を担う存在を意味します。

そのため、まるで「家族の精神的支柱を務める子ども」という意味合いから、ヒーロータイプは「小さな大人」あるいは「小さな保護者」と呼ばれる場合があります。

また、「アダルトチルドレン:ヒーロー(英雄役)」には、以下のようにいくつかの「別称」が存在します。

POINT

  • スーパーチャイルド、小さな大人、小さな保護者

なお、本サイトでは以下の「2つの表記」に統一しています。

POINT

  • アダルトチルドレン:ヒーロー(英雄役)
  • ヒーロータイプ

このように、ヒーロータイプとは「親や家族の期待を一身に受けて、その期待に応えるために勉強・スポーツ・習い事で必死に努力を続ける子ども」あるいは「家族を支えるために必死に頑張り続ける子ども」を意味し、真面目で責任感が強い性格である場合が多く、周囲からは「頼れる存在」や「憧れる存在」に映ります。

なお、「周囲から見たヒーロータイプの印象」は、主に以下の「具体例」があげられます。

POINT

  • 頼りがいのある人、カリスマ性がある人、責任感の強い人、目立つ人、努力家、自分に厳しい人、優秀な人、優等生、真面目な人、リーダシップのある人、できる人、完璧な人、欠点がない人、ハイスペックな人、ストイックな人

このように、「優秀で真面目で責任感が強く頼られる存在」であるヒーロータイプは、周りからは「華やかな人生を送っている人」「人望がある人」など、一見、何の問題もない人に見られがちです。

ですが、ヒーロータイプは表面的には「優秀で真面目で責任感が強く頼られる存在」に映る反面、内面には「責任感に押し潰されそうな恐怖」や「自分の弱さを見せられない孤独」など「ネガティブ感情を抑圧している」場合が多いという特徴があります。

反対に言えば、ヒーロータイプは「本当の自分(ネガティブな自分)」を周囲に知られることを極端に恐れ、「ネガティブな自分」を「優秀さという仮面」で懸命に隠し続けている人と言い換えることができます。

親の期待の応えようと無理をするヒーロー(英雄):ヒーローは、勉強や運動、習い事などで、親から良い評価を得られることを最優先するアダルトチルドレンのタイプを指します。外からは頑張り屋、一生懸命で真面目な子と見られることが多く、問題がないと思われがちです。しかしヒーロータイプが努力をする理由は、自分のためではなく、親に叱られたくない、期待に応えたいという防衛的な気持ちからくるものです。思うような結果が得られなくなるなどの挫折や失敗をした時に、急に心が折れてしまう傾向があります。

引用元:アダルトチルドレンとは?特徴や原因、克服するためにやることを解説

このように、ヒーロータイプは「機能不全家族で育った影響」により、「失敗すること・挫折すること・批判されること・失望されること」を極端に恐れるという傾向があり、大人になってからも、自分に厳しく周囲の評価や期待にとても敏感であり、「周囲の評価を得るために努力に努力をかさねる」あるいは「周囲の期待に応えるために無理をして頑張り続ける」という特徴があります。

同時に、ヒーロータイプは「寂しさ、悲しさ、孤独、怖さ、不安、怒り、イライラ、緊張」など「自分の弱さを隠そうとする」という心理的な特徴があるため、大人になってからも「自分の弱さを優秀さという仮面で懸命に隠し続ける」という特徴があります。

ですので、ヒーロタイプは「無理です!」「わかりません!」「助けてほしい!」などの「弱音」が言えず、周囲の意見を無視して一人で頑張り続けてしまうなど、人間関係において「自分の非」や「失敗」を認めることができない場合が多いと考えられてます。

そのため、ヒーロタイプは「大きな失敗」をしたり「周囲からの強い批判」に晒されると、突然「心のバランスを大きく崩してしまう」など「挫折に弱い」一面があり、一度「挫折」をすると「復活」をするまでに多くの時間を要する場合があります。

なお、ヒーロータイプは「男性」も「女性」もどちらも存在すると考えられており、「長子(長男・長女)」に多いと考えられています。

ちなみに、一般的には「勇気・実績・人格に優れた女性」を「ヒロイン」と呼びますが、「アダルトチルドレン(AC)概念」においては「ヒロイン」という呼び方はせず、「男性」も「女性」も「ヒーロータイプ」と呼びます。

 

アダルトチルドレン:ヒーロー(英雄役)の「心理的な特徴」

アダルトチルドレン_ヒーロータイプの心理的な特徴は家族の期待に応えることであることを表すイラスト

ヒーロータイプは、子どもの頃から「親や家族の期待」に応えるために頑張り続けてきたため、大人になっても「周囲の期待に応えるために積極的に頑張り続ける」という点が最大の特徴です。

また、ヒーロータイプは「寂しさ、悲しさ、孤独、怖さ、不安、怒り、イライラ、緊張」など「弱い自分を隠そうとする」という心理的な特徴があるため、大人になってからも「弱い自分を優秀さという仮面で懸命に隠し続ける」という特徴があります。

なお、「ヒーロータイプの心理的な特徴」は、主に以下の「9つ」があげられます。

POINT

  1. 努力家
  2. 完璧主義
  3. 強がり
  4. 責任感・正義感が強い
  5. 白黒思考
  6. 失敗や挫折を恐れる
  7. 失敗や挫折に弱い
  8. 承認欲求が強い
  9. 他者に厳しい・他者を見下す

続きは、以下の記事でさらに詳しく解説しています。

 

アダルトチルドレン:ヒーロー(英雄役)の「人間関係の特徴」

アダルトチルドレン_ヒーロータイプが人間関係で直面する問題の特徴を表しているイラスト

ヒーロータイプは、子どもの頃から「親や家族の期待に応え続ける」という「役割」をこなしてきたため、大人になってからも、人間関係において「周囲の期待に応えるために積極的に頑張り続ける」という点が最大の特徴です。

反対に言えば、ヒーロータイプは「周囲の期待に応えるために頑張り続けるぶんだけ、自らの心身のケアが疎かになりやす」と言えますし、「周囲の期待に応えるために頑張り続けるぶんだけ、周囲に感謝・信頼されやすい」とも言えます。

なお、「ヒーロータイプの人間関係の特徴」は、主に以下の「8つ」があげられます。

POINT

  1. 周囲から期待される・頼られる
  2. 仕事に対する責任感が強い
  3. 独りよがりになる
  4. チームワークが苦手
  5. ワーカホリック(仕事中毒)になりやすい
  6. 家庭に問題を抱えやすい
  7. 自分の理想を子どもに押し付ける
  8. 依存心が強い人と共依存になりやすい

続きは、以下の記事でさらに詳しく解説しています。

 

アダルトチルドレン:ヒーロー(英雄役)の「恋愛思考パターン」

アダルトチルドレン_ヒーロータイプの恋愛思考パターンは両親との関係性の影響を受けている様子を表すイメージ

アダルトチルドレンに限らず、恋愛をはじめとする「人間関係の築き方」には、人それぞれの特徴があります。

なお、恋愛をはじめ「親子・家族・友人・夫婦・職場」などの「人間関係の築き方」の人それぞれの特徴を、心理学では「愛着スタイル」と言い、とくに「恋愛関係の築き方の特徴」は「恋愛思考パターン」とも呼ばれ、子どもの頃の「両親との関係性」が大きく影響していると考えられています。

「愛着スタイル」とは、恋愛を含む人間関係において、人とどんな結びつきを持ちたいのか、どのような関係が心地よく感じるのかを表す傾向を指します。…(中略)…この傾向は、幼少期の保護者との関係が大きく影響している。

引用元:愛の心理学―4つの愛着スタイルと愛着障害

以上のことから、ヒーロータイプを始めとする「アダルトチルドレンの恋愛傾向」には、「機能不全家族」で育った影響が密接に関わっていると言えます。

とくに、ヒーロータイプの両親は「子どもの教育に厳しすぎる父親」と「父親に黙って従う母親」など「男尊女卑の関係性」であった場合が多く、その影響で、ヒーロータイプは子どもの頃から「父親の期待」に応えるために「勉強・スポーツ・習い事」を頑張ったり、「頼りない母親」に代わって「家族の問題」を解決したり、「家族のリーダー(英雄的存在)」になる場合が多いです。

ですが、ヒーロータイプは「優秀さという仮面」の内面に「責任感に押し潰されそうな恐怖」や「弱い自分を見せられない孤独」などの「ネガティブ感情」をひた隠しにしており、恋愛関係において「強がる・非を認めない・失敗を認めない・相手を見下す」など「プライドが非常に高い」という点が特徴的と言えます。

そして、恋愛において、ヒーロータイプがさまざまな問題に巻き込まれてしまう根本原因には、子どもの頃に「機能不全家族で育った影響」が密接に関わっており、子どもの頃の「両親との関係性」が大きく影響していると考えられています。

なお、ヒーロータイプは「男性」も「女性」もどちらも存在すると考えられています。

よって、本記事では「ヒーロータイプの恋愛思考パターン」について、以下のように「男女」それぞれにわけて解説していきます。

POINT

  1. ヒーロータイプの『男性』の恋愛思考パターン
  2. ヒーロータイプの『女性』の恋愛思考パターン

それでは、以下に詳しく解説していきます。

 

①ヒーロータイプ(英雄役)の「男性」の恋愛思考パターン

ヒーロータイプの男性の恋愛思考パターン」は、主に以下の「具体例」があげられます。

POINT

  1. 母親との関係性の影響
    「父親から厳しい仕打ちを受けても母親に助けてもらえないことが多かったが、母親から肯定的な反応(大切にされる反応)を受けられたことも少なからずあった」という「母親との関係性」から、大人になって、母親に似た依存心の強い女性に嫌悪感を感じながらも惹かれる
  2. 父親との関係性の影響
    「期待に応えようと懸命に努力を続けてきたが父親に認めてもらえなかった」という「父親との関係性」から、大人になって、父親に認めてもらえそうな(父親に否定されない)恋愛をする
  3. 両親との関係性の影響
    「依存心が強い母親(妻)を見下す父親(夫)」と「父親(夫)に黙って従う母親(妻)」という「両親の関係性」から、大人になって、優位性を保てる(見下せる)女性(自分に黙って従う女性)を選び、その人に愛されようとする

続きは、以下の記事でさらに詳しく解説しています。

 

②ヒーロータイプ(英雄役)の「女性」の恋愛思考パターン

ヒーロータイプの女性の恋愛思考パターン」は、主に以下の「具体例」があげられます。

POINT

  1. 母親との関係性の影響
    「父親に苦しめられているとき、母親に助けてもらえた」「父親がいないときには、母親に優しくしてもらえた」という「母親との関係性」から、大人になって、女性としての自信を感じながらも、男性に対する警戒感も感じる
  2. 父親との関係性の影響
    「期待に応えようと懸命に努力を続けてきたが父親に認めてもらえなかった」という「父親との関係性」から、大人になって、父親に似た優秀な男性に嫌悪感を感じながらも執着する
  3. 両親との関係性の影響
    「共依存の両親の関係性」や「男尊女卑の両親の関係性」に対する「強い嫌悪感」の影響により、大人になって、男女差別や女性蔑視を極端に嫌う

続きは、以下の記事でさらに詳しく解説しています。

 

アダルトチルドレン:ヒーロー(英雄役)の「恋愛傾向」

アダルトチルドレン_ヒーロータイプの恋愛傾向を表すイラスト

前述の通り、ヒーロータイプの「恋愛思考パターン(愛着スタイル)」は、子どもの頃の「両親との関係性」が大きく影響しています。

また、ヒーロータイプは子どもの頃から「機能不全家族における『英雄役』」として、「親や家族の期待」に応えるために「勉強・スポーツ・習い事」を頑張ったり、「頼りない親」に代わって「家族の問題」を解決したり、「家族のリーダー(英雄的存在)」となって家族を支えてきました。

ですので、ヒーロータイプは「機能不全家族で育った影響」により、大人になって「周囲の期待に応えるために積極的に頑張り続ける」という特徴があり、「恋愛関係」においても「恋人に期待されるよう、恋人の期待に応えられるように努力する」という傾向があります。

よって、ヒーロータイプは大人になってからの「恋愛関係」においても、子どもの頃と同じように「英雄役」になりやすいという傾向があります。

なお、ヒーロータイプは「男性」も「女性」もどちらも存在すると考えられていることから、本記事では「ヒーロータイプの『男女』に共通する恋愛傾向」を「軸」に解説していきます。

また、「ヒーロータイプの恋愛傾向」は、主に以下の「8つ」があげられます。

POINT

  1. 恋愛でも「英雄役」になりやすい
  2. 恋愛に完璧を求める
  3. 世間の評価が高い相手を選ぶ
  4. 弱い自分を隠す
  5. 恋人を見下す(マウンティングする
  6. 依存心が強い人と「共依存恋愛」になりやすい
  7. 暴力的支配行動」をとる
  8. 冷め切った恋愛をする

続きは、以下の記事でさらに詳しく解説しています。

 

アダルトチルドレン:ヒーロー(英雄役)が生まれる原因

アダルトチルドレン_ヒーロータイプの原因を表すイラスト

ヒーロータイプが生まれる原因は、「機能不全家族」で育ったことにより、子どもの頃に「トラウマ(心の傷)」を負ったことが根本的な原因です。

なお、「ヒーロータイプが生まれる原因となる機能不全家族の特徴」は、主に以下の「具体例」があげられます。

POINT

  • 父親が厳しい子育てを行っている(教育虐待)
  • 母親は自分の意見を持たず、父親に黙って従っている
  • 父親が「母親に対して暴言・暴力(モラハラ・DV)」を行っている
  • 母親は「父親から暴言・暴力(モラハラ・DV)」を受けても黙って耐えている
  • 父親が「母親を見下すような態度(男尊女卑)」をとっている

また、子どもが「トラウマ」によって抱える「負の感情」のひとつに「見捨てられ不安」があります。

ヒーロータイプは、「父親に期待されないこと」や「父親の期待に応えられないこと」に対して「見捨てられ不安」を感じやすいため、「自分に期待していない父親」や「自分に失望している父親」を見ると「見捨てられ不安」を感じて居てもたってもいられなくなり、「父親の期待に応えよう!」と自ら進んで家族の「英雄役」を担うようになると考えられています。

そして、家族への「英雄役」を繰り返しているうちに「無意識の思考パターン(習慣)」として「潜在意識」に根付き、大人になっても「英雄役」を繰り返していると考えられます。

以上のことから、「ヒーロータイプが生まれる原因」として、以下のような「流れ」が考えられます。

POINT

  1. 愛情不足」により「見捨てられ不安」を感じる
  2. 見捨てられ不安」を和らげるために「英雄役」となる
  3. 英雄役」を担うことで「自分の存在価値」を感じる
  4. 自分の存在価値」を感じるために「英雄役」を続ける

続きは、以下の記事でさらに詳しく解説しています。

広告

ヒーロータイプ(英雄役)を克服する「重要ポイント」

アダルトチルドレン_ヒーロー(英雄役)を克服するために必要な考え方を表すイメージ

ヒーロータイプ(英雄役)を始めとする「アダルトチルドレンの克服方法」は、「アダルトチルドレン(AC)概念」の生みの親である「クラウディア・ブラック」により「アダルトチルドレンを克服する手順(ステップ)」がしっかりと確立されています。

反対に言えば、「クラウディア・ブラック」が示した「アダルトチルドレン克服の手順(ステップ)」遵守しない限り、根本的な「アダルトチルドレンの克服」は難しく、一時的には症状が落ち着いたとしても、しばらくして「英雄役」の症状が再現する場合が多いと言えます。

なお、「アダルトチルドレンの根本的な克服に重要なポイント」としては、主に以下の「2つ」があげられます。

POINT

  1. 「クラウディア・ブラック」が示した「アダルトチルドレン、回復の4ステップ」を遵守する
  2. アダルトチルドレンの克服に必要な「心理学・心理療法」を習得した「協力者」を得る

それでは、以下に詳しく解説していきます。

 

アダルトチルドレン「回復の4ステップ」

そもそも「アダルトチルドレン(AC概念)」は、1970年代、アメリカのアルコール依存症の治療現場から広がり始めた考え方で、1980年代になると、さまざまな専門家たちが「アダルトチルドレンの原因」や「アダルトチルドレンの克服方法」について研究を行い始めました。

そのなかでも、アメリカのソーシャルワーカー・社会心理学博士「クラウディア・ブラック」は、「子どもを生きればおとなになれる―「インナーアダルト」の育て方」という著書の中で、「アダルトチルドレンからの回復プロセス」として、次の「4つのステップ」を示しました。

アダルトチルドレン(AC)概念の生みの親であるクラウディア・ブラックは、ACの回復プロセスを次のような4段階で説明しています。

  • ステップ1=過去の喪失を探る
  • ステップ2=過去と現在をつなげる
  • ステップ3=取りこんだ信念に挑む
  • ステップ4=新しいスキルを学ぶ

引用元:アダルトチルドレン--回復の4ステップ

また、「クラウディア・ブラック」が示した「アダルトチルドレン、回復の4ステップ」を「具体化」すると、以下のようになります。

POINT

  • ステップ1=過去の喪失を探る
    機能不全家族で育った影響で負った「幼少期のトラウマ(インナーチャイルド)」の存在に気づき、「幼少期のトラウマ(インナーチャイルド)」を癒す
  • ステップ2=過去と現在をつなげる
    機能不全家族で育った影響で身に付けた「『英雄役』の思考パターン(人生脚本)」が、現在の自分にどのような影響を与えているか?を理解する
  • ステップ3=取りこんだ信念に挑む
    インナーチャイルドセラピー(退行催眠)を用いて、「『英雄役』の思考パターン(人生脚本)」を「『生きやすい』思考パターン」へと書き換える
  • ステップ4=新しいスキルを学ぶ
    子どもの頃に学べなかった「人間関係の方法」「感情の扱い方」「自分を大切にする方法」を学ぶ

このように、「アダルトチルドレンからの回復プロセス」は、「アダルトチルドレン(AC)概念」の生みの親である「クラウディア・ブラック」によってしっかりと確立されています。

以上のことから、アダルトチルドレンの克服は、「クラウディア・ブラック」が示した「アダルトチルドレン、回復の4ステップ」を遵守したうえで進めていく必要があると言えます。

 

なお、「クラウディア・ブラック」が示した「アダルトチルドレン、回復の4ステップ」については、以下の記事で詳しく解説していますので、必要な方は参考にしてください。

 

アダルトチルドレンの克服に必要な「心理学・心理療法」

「アダルトチルドレン、回復の4ステップ」を示した「クラウディア・ブラック」は、「ステップ1=過去の喪失を探る」のなかで、「アダルトチルドレン克服の基本方針」について以下のように述べています。

ステップ1=過去の喪失を探る:過去を繰り返し語ることで、子ども時代の家族の中にあった問題や、自分の中での喪失に気づき、かかえていた感情を解放する。これは親を責めることとは違い、あくまで自分自身のための作業。自助グループや治療の場を活用する、信頼できる相手に話を聞いてもらうなど、安全で自分を受け入れてもらえる場で行なうことが必要。

引用元:アダルトチルドレンーー回復の4ステップ

なお、「クラウディア・ブラック」が示した「アダルトチルドレン克服に基本方針」を「具体化」すると、以下のようになります。

POINT

  • 過去を振り返り、過去を語ることで、子ども時代の家族の問題や、子ども時代に負った「トラウマ(心の傷)」の存在に気づく必要がある
  • 子ども時代に負った「トラウマ(心の傷)」を癒す必要がある
  • 子ども時代に負った「トラウマ(心の傷)を癒す作業」は、「心理カウンセリング」や「自助グループ」など、信頼できる相手や安全に自分を受け入れてもらえる場所で行う必要がある

以上のことから、「アダルトチルドレンの克服に必要な要件」は、以下のようになります。

POINT

  • 辛く苦しい過去であっても一度は振り返り、子ども時代の家族の問題や、子ども時代に負った「トラウマ(心の傷)」に向き合う必要がある
  • 子ども時代に負った「トラウマ(心の傷)」を癒さない限り、アダルトチルドレンの克服はできない
  • これらの作業は、心理カウンセラーを始めとする「信頼できる相手の協力」や、カウンセリングルームを始めとする「安全に自分を受け入れてもらえる場所」で取り組む必要がある
  • 反対に言えば、アダルトチルドレンの克服は、家族を巻き込まず、家族に邪魔されず行う必要がある

とはいえ、「子ども時代の家族との記憶」や「子ども時代のトラウマ体験」は、「なかなか思い出しづらい『遠い昔の記憶』」であるのと同時に、「できれば思い出したくない『傷ついた記憶』」でもあります。

ですので、心理カウンセラーの技量が低いことが原因で、アダルトチルドレンの克服がうまく行かなくなってしまう場合も考えられます。

以上のことから、当社メンタル心理そらくもとしては、アダルトチルドレンを克服するためには、以下の「心理学・心理療法」を習得していることが望ましいと考えています。

POINT

  1. NLPカウンセリング
  2. 来談者中心療法
  3. 家族療法
  4. ゲシュタルト療法
  5. エリクソン催眠療法(ヒプノセラピー)
  6. インナーチャイルドセラピー(退行催眠)
  7. EFT(感情解放テクニック)

なお、「当社メンタル心理そらくもが考える、アダルトチルドレンを克服するために必要な『心理学・心理療法』」については以下のページに詳しく解説していますので、必要な方は参考にしてください。

 

ヒーロータイプ(英雄役)を克服する「具体的な方法」

アダルトチルドレン_ヒーロータイプの克服のポイントを表すイラスト

このように、ヒーロータイプは、「機能不全家族」で育った影響で「トラウマ(心の傷)」を負い、「トラウマ」の「防御行動」として「英雄役」を担うようになり、家族の「英雄役」を繰り返しているうちに「無意識の思考パターン(習慣)」として「潜在意識」に根付いていったと考えられています。

以上のことから、「ヒーロータイプの原因」は、大きく分けて以下の「2つ」があります。

POINT

  • 感情面の原因…「幼少期のトラウマ
  • 思考面の原因…「無意識の思考パターン

よって、「ヒーロータイプの克服」は、以下の「2つの取り組み」が必要となります。

POINT

  • 感情面のケア…「幼少期のトラウマ」を癒す
  • 思考面のケア…「無意識の思考パターン」を書き換える

このように、ヒーロータイプを始めとする「アダルトチルドレンの克服」は、「感情面」と「思考面」の「両方の取り組み」が必要です。

反対に言えば、どちらか「片方の取り組み」だけでは、一時的には症状が落ち着いたとしても、しばらくして「英雄役」の症状が再現する可能性が高いと言えます。

 

アダルトチルドレンの克服がうまく行かない理由

また、「ゲシュタルト心理学」や「交流分析」によると、「幼少期のトラウマを癒す作業」や「無意識の思考パターンを書き換える作業」は、子どもの頃の感情に「感情移入」できればできるほど効果が高いと考えられています。

とはいえ、「子どもの頃のトラウマ体験」や「子どもの頃の家族との記憶」は、「できれば思い出したくない『傷ついた記憶』」であるのと同時に、「なかなか思い出しづらい『遠い昔の記憶』」でもあります。

ですので、心理カウンセラーが視界に入ってしまうと集中しきれず、「アダルトチルドレンの克服」はうまく行かなくなってしまう場合が多いです。

よって、目を開けた状態で行う「対話型のカウンセリング」のみでは、「アダルトチルドレンの克服」がうまく行かない場合があると言えます。

 

インナーチャイルドセラピー(退行催眠)が有効な理由

このように、目を開けた状態で行う「対話型のカウンセリング」のみだと、心理カウンセラーが視界に入ってしまい、子どもの頃の感情に「感情移入」できず、「アダルトチルドレンの克服」がうまく行かない場合が多いです。

ですが、目を閉じた状態で行う「インナーチャイルドセラピー(退行催眠)」であれば、心理カウンセラーが視界に入らず、子どもの頃の感情に「感情移入」しやすくなり、「アダルトチルドレンの克服」が進めやすくなります。

よって、「インナーチャイルドセラピー(退行催眠)」は「アダルトチルドレンの克服」に非常に有効であると言えます。

 

以上のことから、「ヒーロータイプの克服」は、以下の手順で行っていきます。

POINT

  1. ヒーロータイプ(英雄役)の原因を理解する
  2. インナーチャイルドセラピーを用いて「幼少期のトラウマ(インナーチャイルド)」を癒す
  3. インナーチャイルドセラピーを用いて「無意識の思考パターン(人生脚本)」を書き換える

続きは、以下の記事でさらに詳しく解説しています。

 

まとめ

さいごに、本記事の重要ポイントをまとめます。

  • POINTヒーロータイプとは、「英雄役」という意味で「スーパーチャイルド、小さな大人、小さな保護者」とも呼ばれる
  • ヒーロータイプの心理的な特徴は、「周囲の期待に応えるために積極的に頑張り続ける」反面、「弱い自分を優秀さという仮面で懸命に隠し続ける」という点
  • ヒーロータイプの人間関係は、「真面目で責任感が強い」あまり、「他者に対して厳しくなる」という点が特徴的
  • ヒーロータイプの恋愛思考パターンは、子どもの頃の「両親との関係性」が大きく影響している
  • ヒーロータイプの恋愛は、子どもの頃と同じように「英雄役」になりやすいという傾向がある
  • ヒーロータイプが生まれる原因は、「幼少期のトラウマ」と「無意識の思考パターン」の2つがある
  • ヒーロータイプの克服は、「クラウディア・ブラック」が示した「アダルトチルドレン、回復の4ステップ」を遵守する
  • ヒーロータイプの克服は、アダルトチルドレンの克服に必要な「心理学・心理療法」を習得した「協力者」が必要
  • ヒーロータイプの克服は、「感情面」と「思考面」の「両方の取り組み」が必要
  • ヒーロータイプの克服は、「対話型のカウンセリング」のみでは上手くいかない場合がある
  • ヒーロータイプの克服は、「インナーチャイルドセラピー(退行催眠)」が非常に有効

なお、本記事に関する関連情報は、以下のページにまとめていますのであわせて紹介します。

以上、「アダルトチルドレン:ヒーロー(英雄役)とは?『特徴・恋愛傾向・原因・克服方法』を徹底解説」という記事でした。

この記事を書いた人

心理カウンセラーの紹介

心理カウンセラー寺井啓二の写真とメッセージ

はじめまして「メンタル心理そらくも 代表:寺井啓二」です。うつ、アダルトチルドレンを克服した経験を持つ心理カウンセラーです。自らの克服経験を世の中に役立てたいと考えています。

代表:寺井啓二の紹介

カウンセリングルーム紹介

メンタル心理そらくものカウンセリングルームの紹介イメージ

カウンセリングなどを行う「メンタル心理そらくものカウンセリングルーム」です。中学生、高校生、成人男性、成人女性、ご年配の方まで、静岡県内をはじめ、首都圏、関西、九州、東北など、全国から多くの方に来訪頂いています。

カウンセリングルームの紹介

 

ご利用者さまの「評判・クチコミ」

メンタル心理そらくもに対する評判・クチコミのイメージ

当社メンタル心理そらくもに対する「ご利用者さまの『評判・クチコミ』」です。「グーグルマップの評価・クチコミ」をそのまま引用しています。

ご利用者さまの「評判・クチコミ」