アダルトチルドレン:ヒーローの特徴
アダルトチルドレン=ヒーローの特徴は、皆が憧れる英雄であり頼れるリーダー
機能不全家族で育ったアダルトチルドレンは、親や家族に心配を感じ、自分の居場所である家族をなんとか救い支えようと願っています。
機能不全家族を支える役割=アダルトチルドレンの中でヒーロータイプの特徴は、家族や周囲の期待になんとしても応えようとする意志の強さです。
アダルトチルドレンのヒーロータイプとは、まさしく、機能不全家族のヒーロー(英雄)で、頑張りと功績によって家族に希望をもたらし家族を支えようとします。
この記事は、アダルトチルドレンのヒーロータイプの特徴についてまとめています。
アダルトチルドレン:ヒーローとは?
ヒーローとは、「英雄」という意味で、家族や周囲の期待に応えるために懸命に頑張っている存在であり、別の呼び方では、「小さな大人」「スーパーチャイルド」「小さな保護者」など、子どもでありながら、大人のように頼りにされる存在という意味が込められています。
アダルトチルドレンのヒーロータイプの印象は、完璧主義という言葉がとても当てはまります。
ヒーローは、機能不全家族で育ったことで、親から示された期待と理想を、絶対の使命として受け取り、周囲の期待になんとしても応えようと努力を重ねます。
よって、周りから見るヒーローの性格は、「頼りがいがある人」「優等生、エリート」「できる人」「欠点がない人、完璧な人」「頑張り屋、努力家」などの印象に映ります。
ですが、ヒーロー本人の内面には、周囲の期待に応えなければならない強いプレッシャーが続いており、重い責任感に押しつぶさそうになりながら懸命に頑張り続けています。
機能不全家族チェック
アダルトチルドレンに関心を向けることは、今まで解決不能と思われていた心の悩みに新しい希望をもたらします。
まずは、アダルトチルドレンの原因となる機能不全家族について、機能不全家族チェックを行い理解を深めてみましょう。
アダルトチルドレン:ヒーローの特徴
アダルトチルドレンは、ヒーロー(英雄)の他に、スケープゴート(身代り役)、ロストワン(いない子)、ピエロ(おどけ役)、ケアテイカー(世話役)、イネイブラー(支え役)、プラケータ(慰め役)など、いくつかのアダルトチルドレンタイプにわかれ、それぞれが干渉し合わないように、役割り分担をして機能不全家族を支えます。
機能不全家族のヒーローであるべき!
アダルトチルドレンのタイプの中でヒーロ-タイプは、「自分に対し、常に自分以上であることを求め続ける!」かのように頑張りに頑張りを重ねます。
「常に成功し続けなければならない!」「周囲の期待を裏切ってはならない!」「負けてはならない!」と思い込んでいるため、諦めてしまう人や甘えてしまう人に対して激しい敵意を抱いたり、自分にも周りにも諦めや失敗を許さない厳しくも強い一面がある反面、挫折や失敗をとても恐れているのもヒーローの特徴です。
このように、内面の怖さ、寂しさ、苦しさ、恐れを、優等生という姿で懸命に隠しているのがヒーローの特徴です。
そして、ヒーロータイプの性格形成に大きな影響を与えているのは、幼少期の育ての親の躾け=禁止令とドライバーです。
ただ、アダルトチルドレンのヒーロータイプのすべてが親に強要されたわけではなく、両親の様子や家庭の様子に不安を感じた子どもが、両親や家庭に笑顔をもたらしたいと願い、自らの意思によって、自発的に機能不全家族のヒーローになろうと努力を始める場合もあります。
本当は全然平気じゃない
ヒーロータイプの方は、「無理です!」「わかりません!」「助けてください!」の三つが言えないのが特徴です。
また、「寂しい…怖い…苦しい…心配…」などの気持ちも言いづらいかもしれません。
上記の気持ちを言えないだけで、言えない気持ち=我慢した気持ちはすべて自分のストレスとなりますので、リズムが崩れ始めると、雪だるま式に苦しさが増大してしまいます。
この生きづらさの原因は、機能不全家族で育ったことにより、子どもの頃の家庭環境が、上記のような弱音を言える環境ではなかったことが原因です。
止まったり休むことが怖い
今まで、休むことなく懸命に走り続けてくれたヒーロータイプさんは、そのぶん、休んだり止まったりすることがとても苦手だったり怖かったりします。
車に例えたら、「停車している車なんて価値がない!」「ずっと走り続ける車こそ価値があるんだ!」「止まるなどあり得ない!休んでいたら置いてかれる!」と、このようなヒーロ―タイプさんの気持ちが聞こえてきそうですね。
ヒーロータイプさんが感じている苦しさとは、苦しさのぶんだけ家族を想う優しさであり、自分のことよりも大切な家族を優先し支えてくれたこの優しさこそが「アダルトチルドレンが生まれる理由」です。
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ヒーローの性格とロストワンの性格
さて、アダルトチルドレンのタイプの中でも、ヒーローは正統派と言える役割りで、家族や周囲の期待を一身に引き受け、期待に応えるよう全身全霊で努力を重ねていきます。
そして、アダルトチルドレンのタイプの中で、このような活動的なヒーロー(英雄)の正反対の役割が、ロストワン(いない子)です。
ロストワンの性格は、ヒーローとは全くの正反対で、目に見える行動は、「あえて何もしない」ことで家族への負担を増やさないように努力します。
目に見える行動で家族を支えようとするヒーロの性格に対し、ロストワンの性格は、自分の存在を消し、自分の気持ちを押し隠すことで家族への負担を減らし支えようとします。
このように、ヒーローの性格とロストワンの性格は、一見、交わることが無いように見えますが、案外、ひとつの機能不全家族の中に共存している場合があります。
例えば、兄や姉がヒーロータイプで親や世間の期待に懸命に応えていると、弟や妹はあえてロストワンの性格となり、兄の邪魔をすることを避けることで、家族全体のバランスを整え支えようとします。
野球に例えると、ヒーローがピッチャーでロストワンがキャッチャーのように、「陰と陽」、「動と静」の関係でお互いに役割りを分担し、表裏一体で機能不全家族を支えている場合があります。
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ヒーロ-とインナーチルドレン
さて、アダルトチルドレンのヒーロタイプとは、あくまで、外側から見た姿で鎧のようなものです。
ヒーロー=優等生という鎧の内側には、寂しくて、怖くて、苦しくて、怯えた本当の自分が助けを待ち続けているのかもしれません。
心理学のなかに、インナーチルドレン(インナーチャイルド)という言葉があります。
機能不全家族を支えるために、ヒーロー=優等生を演じ始めたころの幼い自分の姿…
家族には笑顔を振りまいているけれど、内心では、「寂しくて、怖くて、苦しくて、ほんとは全然平気じゃないんだよ…」と訴えている…
一見、頼もしく見えるヒーロータイプの内側には、常にプレッシャーにさらされ、でも逃げ出せなくて、寂しくて苦しいままの小さなインナーチルドレン(インナーチャイルド)が助けを求め続けているのかもしれません。
ヒーロータイプが直面する問題
アダルトチルドレンのヒーロータイプは、子どもの頃、家族や兄弟や親戚と言った周囲の人たちの期待という生きがいがありました。
周囲の期待を背負い、期待に応え続けることは、とても苦しいことではありますが、生きがいでもあります。
ですが、進学、就職と進み、家族や兄弟や親戚と言った周囲の人たちから離れ自立すると、自分への期待=生きがいが感じられなくなり、その生きがいを会社内での出世や恋愛に転嫁するようになります。
ヒーローと仕事
アダルトチルドレンのヒーロータイプは、責任感が強く、リーダーシップにも優れ、強い意志を持ち合わせているので、ほとんどの場合、スポーツチームや職場の中心人物として活躍します。
ただ、強いて言える特徴としては、ヒーロータイプは、プライベートを軽視してでも仕事の功績を求めがちです。
なので、自分1人で好きなペースで進められる仕事は得意なのですが、会社などのチームワークになると、周囲の人たちのリズムに合わせられず、複数人でのチームワークをとてもストレスに感じ、人間関係にトラブルが生じたり、失敗できないプレッシャーに追い立てられ休めなくなり、心理的に燃え尽きてしまう場合があります。
そして、恐れていた失敗や挫折を経験すると、心に張りつめていた緊張感が一気に崩れてしまい、自分自身の存在が許せなくなったり、自分自身に絶望感を感じて、ひとつの失敗で人生のすべてが終わってしまったかのような大きなショックを感じる場合があります。
ヒーローと恋愛
アダルトチルドレンのヒーロータイプの恋愛は、ケアテイカー(イネイブラー&プラケーター)に似ている部分もあり、誰かに期待をしてもらいたいし、誰かの期待に応えていたので、恋愛においては、「自分よりもか弱く、自分が居なければ生きていけないよいうな相手」を選びがちです。
そして、ヒーローの恋愛は、自分の活躍を頼みにしてくれたり褒めてくれる相手とは安定していますが、自分への感謝が足りないと感じたり、少しでも反対意見をさし挟まれると、烈火のごとく怒りだしたり、急に愛想を突かすような態度をとる場合があります。
イメージとしては、亭主関白という言葉が近いのかもしれません。
このように、ヒーローの恋愛は、対等な自立共存というより、共依存状態になりがちです。
そして、依存傾向の女性がヒーロの男性に依存をしてしまうと、当初はとても頼りになり安定した関係が続きますが、ヒーローへの感謝や褒めることを怠るなど、ヒーロとの間に気持ちの擦れ違いが生まれ、ヒーローから癇癪や激しい暴力=DVを受けてしまったり、離れようとしても束縛や監視を受けてしまう場合があります。
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ヒーローの克服
アダルトチルドレンのヒーロータイプは、「誰かに認めてもらうことで存在価値を感じる。」という特徴があります。
なので、ある意味、「常に努力し続けていないと見捨てられてしまう…」という強い焦りと不安を感じている場合が多いです。
そして、私=寺井自身も、かつてはアダルトチルドレンであり、アダルトチルドレンを克服した心理カウンセラーです。
ここからは、当方メンタル心理そらくもが考える、ヒーロ型のアダルトチルドレン克服のポイントを説明していきます。
もう十分頑張ってきたことを認めてあげよう
私自身も、自分の性格にアダルトチルドレンのヒーロタイプの個性を感じていました。
仕事を休むこと、手伝ってもらうこと、任せること、相談することが怖く、全部を一人でやり切らなければ気が済まず、ずっと仕事をしていなければ安心できず、ついには、うつを患った経験があります。
でも、外側にはヒーロー=優等生という鎧を見せているものの、そのなかでずっと寂しくて苦しいままだった自分のインナーチャイルドに気づいていきました。
そして、今までずっと一人ぼっちだった幼い頃の心の傷を、親に代わって成長した私自身が癒し安心させていくことで、頑張っている自分もOKだし、頑張っていない自分もどちらもOKだなぁ…と、気楽に思えるようになりました。
今では、うつを克服した心理カウンセラーとして、たくさんの方たちのインナーチャイルドを癒しのお手伝いをさせて頂き、アダルトチルドレンの克服をお手伝いさせて頂いております。
ヒーローさんの功績をヒーローとして称えましょう
このように、自分同志が期待し合い=精神的自立を始め、自分同志の信頼=自信を育み始めるセラピーを、インナーチャイルドセラピーといいます。
なので、幼いときから、自分以外の人のためにずっと頑張ってきたヒーローさん=自分のインナーチャイルドを、そろそろ助けて安心させて、ヒーロの役割を感謝で終わりにしてあげることで、頑張っても頑張っていなくても、穏やかに安心して過ごせるようになるでしょう…。
誰も巻き込まず、誰にも邪魔されず、自分で自分を助けていく機会が、当方メンタル心理そらくものカウンセリング&セラピーです。
長年のヒーローさんの苦労と功績を、当方のカウンセリング&セラピーにて労い、今は穏やかに暮らしている方はたくさんいらっしゃいます。
いつの日か、家族や周りの期待に応えつづけてくれてきた、『ヒーロさんの活躍と功績に、労わりと感謝を届けてあげて、ヒーロさんをヒーローとして称え、新しい人生へと誘ってあげる』お手伝いをさせて頂けると私はとても嬉しいです。
以上、「アダルトチルドレン:ヒーローの特徴」という記事でした。