POINT毒親育ちの「性格的な特徴」や「恋愛傾向」は、「親の育児方法の影響」や「親の愛情表現の影響」を強く受けた「習慣」です。「習慣」である以上、改善は可能です。
心理カウンセラーの寺井です。
「三つ子の魂百まで」の諺にもある通り、子供の頃に受けた「親の育児方法の影響」は、自分の性格的な特徴に大きな影響を与えています。
このとき、親の育児方法の影響によって形成される性格的な特徴を、「交流分析」という心理学では「人生脚本」と言います。
このように、毒親育ちの性格的な特徴は、子供の頃(おおよそ6歳頃まで)に「親に言われた言葉」や「親にされた行動」などに基づいて形成され、それ以降、無意識に繰り返している思考・行動パターンのことを指します。
また、子供の頃に見聞きした「親の夫婦関係の様子」や「親の結婚生活の様子」は、自分の恋愛傾向に大きな影響を与えています。
このとき、恋人、夫に対する愛情表現のやり方をはじめ、恋愛に対する考え方や、結婚に対する価値観が、親から子へ、子から孫へと無意識に連鎖していく心の働きを、心理学では「世代間連鎖」と言います。
このように、毒親育ちの恋愛傾向は、子供の頃、「両親が自分に見せた愛情表現」や「母親が父親にしていた愛情表現」あるいは「父親が母親にしていた愛情表現」などを「模範」として形成され、それ以降、無意識に繰り返している恋愛パターンのことを指します。
反対に言えば、「性格的な特徴」も「恋愛傾向」も生まれ持った遺伝的な特徴ではなく、あくまで生まれた後に身に付けた「習慣」にすぎません。
なので、毒親との親子関係で身に付けた「性格的な特徴」も「恋愛傾向」も「習慣」である以上、例えば「生活習慣」の改善と同じように、時間を掛けて改善することは可能と言えます。
この記事は
- 毒親の学術的な定義
- 毒親4つタイプ・毒母・毒父の特徴
- 毒親育ちの「性格的な特徴」
- 毒親育ちの「恋愛傾向」
- 毒親育ちの「男女の違い」
- 毒親育ちの診断チェック
- 毒親から解放される方法
など、毒親育ちの「男女」それぞれの「性格的な特徴」と「恋愛傾向」について解説しています。
毒親とは?
「毒親」とは、そもそも、心理学などの学術用語ではなく、過干渉、過保護、暴言、暴力、ネグレクトなど、子供の人生に悪影響を及ぼす子育てを行う親を指す言葉として、アメリカの医療コンサルタント&グループセラピストとして活躍した「スーザン・フォワード」が、「毒になる親:一生苦しむ子供(英名:Toxic Parents: Overcoming Their Hurtful Legacy and Reclaiming Your Life)」という著書の中で生み出した言葉です。
毒親(どくおや、英: toxic parents)は、毒になる親の略で、毒と比喩されるような悪影響を子供に及ぼす親、子どもが厄介と感じるような親を指す俗的概念である。1989年にスーザン・フォワード(英: Susan Forward)が作った言葉である。学術用語ではない。
引用元:毒親
毒親とは「毒になる親」の略語
スーザン・フォワードが著書のタイトルとした「Toxic Parents」は、直訳すると「有毒な親」となりますが、日本語版では「有毒な親」というタイトルが「毒になる親」と訳されました。
そして「毒になる親」をさらに略し、日本では「毒親」と呼ばれるようになりました。
また、「毒親」という言葉の生みの親であるスーザン・フォワードの考え方によると、「毒親」という言葉の意味合いとは、以下のようになります。
POINT
- 子供の人生に「毒になる子育て」を行う親
- 子供にとって「毒になるような悪影響」を与える親
また、「毒親とは何か?=毒親の概要」については、以下の記事で詳しく解説していますので、必要な方は参考にしてください。
毒親「4つのタイプ」と「毒母・毒父の特徴」
日本では、「毒親」という言葉ばかりが独り歩きしている印象がありますが、毒親とは、実質的には「生き方・子育て方法・性格など、人間の個性の違い」を表わす言葉であり、その特徴は様々です。
毒親の特徴:否定、放置、過干渉、過保護、4つのタイプ
心理カウンセラーとしての経験に基づき考えると、毒親の特徴は大きく分けて、以下の4つのタイプにわけることができます。
POINT
- 子供を否定する毒親
- 子供を放置する毒親
- 過干渉な毒親
- 過保護な毒親
「否定、放置、過干渉、過保護、それぞれのタイプの特徴」は、以下の記事で詳しく解説しています。
毒母と毒父の特徴の違い
日本における毒親とは母親を指す場合が多く感じますが、母親に限らず、父親も毒親と呼ぶがあり、それぞれ「毒母・毒ママ」「毒父」などと呼ぶ場合があります。
毒親は、「母親」である場合と「父親」である場合でそれぞれ特徴に違いがあります。
「毒母の特徴」と「毒父の特徴」は、以下のような違いがあります。
POINT
- 毒親である母親は、押しつけがましい、大げさでヒステリック、子育てから逃げる、愚痴が多い、子供に嫉妬したり拗ねる、極端な言動をするなどの特徴があります。
- 毒親である父親は、命令、強要、過干渉、モラハラ、否定ばかり、過保護、子供の言いなり、子供に無関心、子供に嫉妬したり拗ねる、怒鳴る、暴力などの特徴があります。
「毒母の特徴」と「毒父の特徴」は、以下の記事で詳しく解説しています。
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毒親育ちの「女性」の性格的な特徴
毒親育ちの女性の性格的な特徴は、主に以下の5点があげられます。
POINT
- 自分の意見や行動に自信が持てない
- 他人の評価を気にする・他人と比べる
- 友人や恋人に強く依存する
- 人生を楽しむことに罪悪感を感じる
- 完璧主義・理想の自分への執着
続きは、以下の記事で詳しく解説しています。
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毒親育ちの「男性」の性格的な特徴
毒親育ちの男性の性格的な特徴は、主に以下の5点があげられます。
POINT
- 自分の意見や行動に自信が持てない
- 他人の評価や世間体を気にする
- 自分の非を認めようとしない
- 完璧を求めて頑張りすぎる
- 人間関係の距離感がわからない
続きは、以下の記事で詳しく解説しています。
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毒親育ちの「女性」の恋愛傾向
毒親育ちの女性の恋愛傾向は、主に以下の5点があげられます。
POINT
- 相手の愛情に戸惑う
- 相手の言動に敏感
- 母親と同じ恋愛パターンを繰り返す
- 相手に意見が言えない
- 自分を大切にしてくれない相手を選ぶ
続きは、以下の記事で詳しく解説しています。
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毒親育ちの「男性」の恋愛傾向
毒親育ちの男性の恋愛傾向は、主に以下の5点があげられます。
POINT
- 自分への愛情を疑う・試す
- 恋愛相手を信じきれない
- 恋愛相手を支配・束縛しようとする
- 愛情に条件を付ける
- スキンシップに問題が生じやすい
続きは、以下の記事で詳しく解説しています。
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毒親育ち「性格的な特徴」と「恋愛傾向」の「男女」による違い
「毒親育ち」と呼ばれる方たちは、「性格的な特徴」や「恋愛傾向」にいくつかの共通点がありますが、「男女による違い」も存在します。
ここでは、「毒親育ちの『性格的な特徴』と『恋愛傾向』の『男女』による違い」について解説していきます。
毒親育ちの性格的な特徴「男女」の違い
毒親育ちの性格的な特徴の「男女」による最大の違いは、以下の点です。
POINT
- 毒親育ちの「女性」は、拒食・過食・リストカットなどの「自虐的思考」に陥りやすく、自分を攻撃しやすい
自虐的思考とは、「どうせ自分なんて」「何のとりえもない」「ほら!やっぱり失敗した」・・・などの思考癖。自虐的思考の多くは、過去の経験や他社(親)の言葉を無意識に取り込んでいることが原因です。中には、母親がものすごく心配性で、未来予測を悲観的に想像する癖があった場合も原因の一つとなります。
引用元:自虐的思考は、あなたを不幸に導く
- 毒親育ちの「男性」は、暴言・暴力・逆切れなどの「攻撃的思考(侵入思考)」に陥りやすく、周囲の人を攻撃しやすい
例えば,車の運転途中に人の群れに突っ込んでいくことが浮かぶ,会議の場で突拍子のないことや下品なことを口にすることを想像する,などです。こういった,侵入的に体験される思考・衝動・イメージのことを「侵入思考」と呼びます。
引用元:侵入思考 浦和すずのきクリニック
このように、「毒親育ちの女性は自分を攻撃しやすい」のに対し、「毒親育ちの男性は周囲の人を攻撃しやすい」という点が、毒親育ちの性格的な特徴の「男女」による最大の違いです。
毒親育ちの恋愛傾向「男女」の違い
毒親育ちの恋愛傾向の「男女」による最大の違いは、以下の点です。
POINT
- 毒親育ちの「女性」は、尽くす・耐える・支える・貢ぐなど「自己犠牲」の傾向が強く、自分を犠牲にしやすい
恋愛で自己犠牲をしてしまう女性は、会いたい気持ちがあっても、それを我慢してしまうことがあるでしょう。特に彼氏に忙しい様子があると、遠慮をして寂しい思いを伝えることができないようです。
- 毒親育ちの「男性」は、モラハラ・浮気性・お金にルーズなど「自己愛性」の傾向が強く、恋愛相手を犠牲にしやすい
「自己愛」とは、自分自身への独りよがりな陶酔だ。自分のことばかり気にする人や、好き嫌いの激しい人、自分の非をなかなか認めようとしない人、言い訳ばかりする人も、ある意味で自己愛が強いと言える。
このように、「毒親育ちの女性は自分を犠牲にしやすい」のに対し、「毒親育ちの男性は恋愛相手を犠牲にしやすい」という点が、毒親育ちの恋愛傾向の「男女」による最大の違いです。
毒親育ち診断チェックリスト
本記事で紹介している「毒親育ちの性格的な特徴」や「毒親育ちの恋愛傾向」は、以下の「毒親育ち診断チェックリスト」を実行することで、さらに詳しくチェックすることができます。
「毒親に育てられた悪影響」は、人の心のしくみ=心理学に沿ってひとつひとつ理解を深めていくことで克服することが可能です。
そのためには、自分を知ることが第一歩となります。
「毒親の影響から自分を解放する第一歩」として、是非、チェックしてみてください。
毒親から解放される方法
人間関係や恋愛関係とは、家族・友人・恋人との信頼関係を築くことです。
なので、相手や自分を疑うことより、相手を信じることや自分自身を好きでいることがとても大切なことになります。
ですが、毒親育ちの方は、毒親に育てられた影響によって、相手を信じきれなかったり、自分を信じれないものですので、人間関係や恋愛関係がなかなかうまくいかないことが多いのも無理のないことです。
ですが、カウンセリングを利用することで、カウンセラーの協力のもと毒親の影響から自分を解放し、今からでも、家族や友人や恋人とのあいだに、対等な信頼関係に基づく人間関係・恋愛関係を築くことは可能です。
ここでは、「毒親から自分を解放する方法」について解説していきます。
毒親からの解放とは「精神的に自立する」こと
毒親育ちの方が毒親から自分を解放する方法として、カウンセリングはとても有効であると言われています。
毒親から受けている悪影響とは、具体的には以下の2つを指します。
よって、毒親から解放される方法は、カウンセリングを利用することで、毒親との関係で傷ついた感情を癒しつつ、否定的な考え方を緩め、毒親から精神的に自立することを意味します。
精神的自立とは、「自分の行動を誰かの意志に委ねていない状態」を指します。日常でも、精神的自立があるかないかで行動は大きく変わります。
引用元:自立するにはどうすればいいか?
毒親から解放される方法「2つ」のステップ
ですが、毒親に育てられた影響は、長年にわたって受け続けていることによって、自らの性格パターンとしてかなり強固に習慣化されています。
なので、毒親からの解放を実現するためには「カウンセラー」の協力を得る必要があります。
よって、毒親から解放される方法とは、カウンセラーの協力のもと、以下の2つのステップにわけて取り組む必要があります。
POINT
- カウンセリングを利用することで、毒親の悪影響=「『未完の感情』と『禁止令・ドライバー』の影響から自分を解放」する
- 再び、毒親の悪影響を受けないよう「毒親から精神的に自立するための対策」を行う
続きは、以下の記事で詳しく解説しています。
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まとめ
ときどき、「私は毒親の呪縛から逃れられない」「私は毒親に支配されている」といった言葉を耳にすることがあります。
ですが、カウンセリングでは、「親が子供を呪縛し支配している」とは捉えず、あくまで「子供が親に執着している」と捉えていきます。
そうすることで、自分が抱えている親への執着を解消すれば、自分は毒親から解放されるという道筋が開けます。
だからこそ、自分が抱えている親への執着を、親とは無関係に自分自身で解消できるカウンセリングは、毒親から自分を解放する有効な手段と言えるのです。
もし、「カウンセリングを利用することで毒親の影響から自分を解放し、今からでも、家族や友人や恋人とのあいだに、対等な信頼関係に基づく人間関係・恋愛関係を築けるようになりたい!」と感じておられるようでしたら、いつの日か、お手伝いをさせて頂けると嬉しいです。
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以上、「毒親育ちの「男女」それぞれの『性格的な特徴』と『恋愛傾向』」という記事でした。