毒親から解放される方法

2020年9月30日毒親アダルトチルドレンの克服方法,毒親からの解放,毒親への対処法

毒親から解放される方法を表すイラスト

POINT毒親から解放される方法は、毒親との関係で傷ついた感情をカウンセリングで癒し、毒親から精神的に自立することです。

心理カウンセラーの寺井です。

毒親から受ける悪影響とは、「①毒親との関係で『傷ついた感情』」と「②毒親の子育ての影響で身に付けた『否定的な考え方』」のふたつです。

よって、毒親から解放される方法は、カウンセリングを利用することで、毒親との関係で傷ついた感情を癒しつつ、否定的な考え方を緩め、毒親から精神的に自立することを意味します。

この記事は、「子供が毒親から受ける『毒』の正体」「毒親から自分を解放するカウンセリングの解説」「毒親の影響を受けないようにするための対策」など、毒親から解放される方法について解説しています。

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毒親から受ける「毒」の正体

毒親から解放される方法として毒親とは何か?を理解しているイメージ

毒親」とは、そもそも心理学などの学術用語ではなく、過干渉、過保護、暴言、暴力、ネグレクトなど、「子供の人生に悪影響を及ぼす子育てを行う親」を指す言葉です。

日本における「毒親」とは母親を指す場合が多く感じますが、母親に限らず、父親も毒親と呼ぶがあり、それぞれ「毒母」「毒父」などと呼ぶ場合があります。

 

毒親とは「毒になる親」の略語

「毒親」とは、そもそも心理学などを出展元とする学術用語ではなく、アメリカの専門家「スーザン・フォワード」が「毒になる親:一生苦しむ子供(英名:Toxic Parents: Overcoming Their Hurtful Legacy and Reclaiming Your Life)」という著書の中で生み出した言葉です。

毒親(どくおや、英: toxic parents)は、毒になる親の略で、毒と比喩されるような悪影響を子供に及ぼす親、子どもが厄介と感じるような親を指す俗的概念である。1989年にスーザン・フォワード(英: Susan Forward)が作った言葉である。学術用語ではない。

引用元:毒親

スーザン・フォワードが著書のタイトルとした「Toxic Parents」は、直訳すると「有毒な親」となりますが、日本語版では「有毒な親」というタイトルが「毒になる親」と訳されました。

そして、「毒になる親」をさらに略し、日本では「毒親」と呼ばれるようになりました。

また、「毒親」という言葉の生みの親であるスーザン・フォワードの考え方によると、「毒親」という言葉の意味合いとは、以下のようになります。

POINT

  • 子供の人生に「毒になる子育て」を行う親
  • 子供にとって「毒になるような悪影響」を与える親

なお「毒親とは何か?毒親の意味合い」については以下の記事で詳しく解説していますので、必要な方は参考にしてください。

 

子供の人生に「毒になる子育て」とは?

心理カウンセラーとしての経験に基づき考えると、毒親が行う子育ては、大きく分けて以下の4つのタイプにわけることができます。

POINT

  1. 子供を否定する親」…子供と向き合おうとせず、子供の存在自体を否定する
  2. 子供を放置する親」…子育てをしようとせず、子育てから逃げてしまう
  3. 過干渉な親」…子供を監視・束縛・支配しようとする
  4. 過保護な親」…子供に対して過度な心配性である

このように、毒親の子育ては子供の心の健全な成長を阻害しかねず、子供にとって「毒になるような悪影響」を与える可能性があります。

 

子供が毒親から受ける悪影響=「毒」の正体とは?

このように、否定・放置・過干渉・過保護などの子育てを受けた子供は「自己否定感」を感じやすくなり、そのぶん、大人になって「ストレス」を抱えやすくなったり、「否定的な考え方」を持ちやすくなります。

このとき、子供が毒親の子育てから受ける悪影響、すなわち、子供が毒親から受ける「毒」とは、具体的に以下の2つが考えられます。

POINT

  1. 毒親の子育ての影響で、子供の頃から心に抑圧し続けている、寂しさ・悲しさ・怖さ・辛さ・怒り・不安などの「ストレス」「トラウマ(心的外傷)
  2. 毒親の子育ての影響で、子供の頃に身に付けた「~してはならない!」「~しなくてはならない!」といった「否定的な考え方

 

毒親から受ける「毒」の正体は、「未完の感情」と「禁止令・ドライバー」

また、上記のうち「①毒親の子育ての影響で、子供の頃から心に抑圧し続けている『ストレス』『トラウマ(心的外傷)』」について、カウンセリングでは「ゲシュタルト療法」という心理学に沿って「未完の感情」として捉えます。

納得がいかない思いは、行き場がなくて、心のどこかにモヤモヤしたまま残ってしまいます。いわば出口がなくて迷子になってしまった感情。これを「未完の感情」と呼びます。

引用元:「未完の感情」が、ぐるぐる思考を生む

そして、「②毒親の子育ての影響で、子供の頃に身に付けた『否定的な考え方』」について、カウンセリングでは「交流分析」という心理学に沿って「禁止令とドライバー」として捉えます。

禁止令とは心理学者エリックバーン博士によって開発された自己分析法で、文字通り「〇〇してはいけない」という「禁止」の「命令」のことです。…(中略)…幼いころに親などの養育者から否定的・禁止的な命令や態度を繰り返し受けることで、自らの思考や行動の制限を課してしまうものです。

引用元:知っていますか?あなたを縛る「禁止令」【私たちは禁止されている】

拮抗禁止令とは、幼少期に親の役割をもつ人から与えられた「〇〇しなさい」「〇〇したほうがよい」「〇〇であるべき」という、いわゆる「〇〇しろ」というメッセージを受けて、そのよう生きていこうと「決断」することで自らに課したものです。…(中略)…ドライバーというその名の通り、その人の行動を駆り立ててしまうのです。

引用元:知っていますか?あなたを駆り立てる5つの拮抗禁止令(ドライバー)

このように、カウンセリングでは、子供が毒親から受けている悪影響=「毒」の正体を以下の2つと捉えます。

POINT

  1. 毒親の子育ての影響で、子供の頃から心に抱え続けている「ストレス」や「トラウマ」
    ⇒「未完の感情
  2. 毒親の子育ての影響で、子供の頃に身に付けた「否定的な考え方」
    ⇒「禁止令とドライバー

 

毒親から解放される方法とは、「未完の感情」と「禁止令・ドライバー」の影響から自分を解放すること

よって、毒親から解放される方法とは、子供が毒親から受けている悪影響=「未完の感情」と「禁止令・ドライバー」の影響から自分を解放することを意味します。

また、子供が毒親から受けている「毒」の正体=「未完の感情とは何か?」「禁止令・ドライバーとは何か?」については、以下の記事で詳しく解説していますので、必要な方は参考にしてください。

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毒親から解放される方法「2つ」のステップ

毒親から解放される方法に必要な2ステップを表すイラスト

前述の通り、毒親からの解放とは、子供の頃から受け続けている毒親の悪影響、すなわち「未完の感情」と「禁止令・ドライバー」の影響から自分を解放することです。

ですが、「未完の感情」や「禁止令・ドライバー」とは、その影響を長年にわたって受け続けていることによって、自らの性格パターンとしてかなり強固に習慣化されています。

なので、毒親からの解放を実現するためにはカウンセラー」の協力を得る必要があります。

よって、毒親から解放される方法とは、カウンセラーの協力のもと、以下の2つのステップにわけて取り組む必要があります。

POINT

  1. カウンセリングを利用することで、毒親の悪影響=「『未完の感情』と『禁止令・ドライバー』の影響から自分を解放」する
  2. 再び、毒親の悪影響を受けないよう「毒親から精神的に自立するための対策」を行う

それでは、以下に詳しく解説していきます。

 

STEP①毒親から自分を解放するカウンセリング

毒親から自分を解放するカウンセリングの全体像を表すイラスト

毒親から解放される方法の最初のステップは、カウンセリングを利用することで毒親の悪影響=「『未完の感情』と『禁止令・ドライバー』の影響から自分を解放」することです。

ですが、カウンセリングで毒親からの解放を目指す場合、自由に話すだけの「傾聴カウンセリング」いわゆる「来談者中心療法」のみの対応では限界があります。

傾聴とは、カウンセリングやコーチングで使用されるコミュニケーション技法の一つ。相手の話を深く聴いたり、話し方や表情、姿勢、しぐさといった言葉以外の部分に注意を払ったりすることで、相手を理解します。

引用元:傾聴とは? 意味、ロジャーズの3原則

なので、毒親から自分を解放するカウンセリングは、カウンセラーの協力のもと、「交流分析」や「ゲシュタルト療法」などの心理学に基づき、毒親の子育ての影響で子供の頃から「未完の感情」を抱え続けている子供時代の自分のイメージを「インナーチャイルド」というイメージに見立て、「インナーチャイルドセラピー」によって自ら癒すことで「毒親からの精神的な自立」を目指します。

そうすることで、「未完の感情」の影響から解放され、続いて「禁止令・ドライバー」の影響からも解放され、毒親から完全に解放されます。

精神的自立とは、「自分の行動を誰かの意志に委ねていない状態」を指します。日常でも、精神的自立があるかないかで行動は大きく変わります。

引用元:自立するにはどうすればいいか?

このように、毒親から自分を解放するカウンセリングとは、以下の「7つの考え方」が基本となっています。

POINT

  1. 毒親へ執着してしまう原因は「未完の感情
  2. 毒親への「未完の感情を解放」すると、毒親への執着を解消できる
  3. 子供が訴える「未完の感情」を、毒親は絶対に認めない
  4. 「未完の感情」は、親に代わって自分がわかってあげる
  5. 「未完の感情」を解放するために、子供の頃の自分への理解を深める
  6. アダルトチルドレン」と「インナーチャイルド」を理解する
  7. 毒親からの解放とは「アダルトチルドレンの克服」である
  8. インナーチャイルド」が抱えている「未完の感情」を、インナーチャイルドセラピーで「未完の解決」へと導くことで、毒親から解放される

続きは、以下の記事で詳しく解説しています。

 

STEP②毒親から解放されるための対策

毒親から解放されるための対策として精神的な自立を果たしている様子を表すイラスト

STEP①:カウンセリングを利用することで、毒親の悪影響=「『未完の感情』と『禁止令・ドライバー』の影響から自分を解放」することを実現した後は、STEP②:再び、毒親の悪影響を受けないよう「毒親から精神的に自立するための対策」を行う必要があります。

毒親の「毒」とは、「毒親との関りによって生まれる『ストレス』『トラウマ』などの『未完の感情』」と、「毒親が持っている『否定的な考え方』すなわち『禁止令・ドライバー』」です。

よって、毒親から解放されるための対策とは、「親を変えよう!親に認めてもらおう!」と親との関りを深めていくための対策ではなく、「親から離れよう!親の影響を受けないようにしよう!」と親との関りを薄めていくための対策となります。

毒親から精神的に自立をすることで、毒親の影響を受けないようにするための具体的な対策は、以下の7つがあげられます。

POINT

  1. 親と物理的に距離を取るようにする
  2. 親から精神的に自立する
  3. 親に対して「NO」と伝える
  4. 親にお金を貸さない
  5. 親より友人や知人を頼る
  6. 親との関係を整理する
  7. 身の危険を感じる場合は「第三者」に相談する

続きは、以下の記事で詳しく解説しています。

 

まとめ

さいごに、毒親から解放される方法について重要ポイントをまとめます。

  • POINT毒親とは心理学などに基づく学術用語ではない
  • 毒親の語源は「スーザンフォワード」の著書「毒になる親:一生苦しむ子供」という本にある
  • 毒親とは、「子供の人生に『毒になる子育て』を行う親」あるいは「子供にとって『毒になるような悪影響』を与える親」という意味合い
  • 否定・放置・過干渉・過保護など毒親の子育ては子供にとって「毒になるような悪影響」を与える可能性がある
  • 毒親から受ける「毒」とは、毒親との関りによって生まれるストレス「未完の感情」と「毒親が持っている否定的な考え方「禁止令とドライバー」のふたつ
  • 毒親から解放される方法は、「①カウンセリングを利用することで、毒親の悪影響=『未完の感情』と『禁止令・ドライバー』の影響から自分を解放する」ステップと「②再び、毒親の悪影響を受けないよう、毒親から精神的に自立するための対策を行う」ステップのふたつにわかれる

また、毒親から解放される方法に関連記事を以下に紹介します。

是非、あわせてお読みください。

なお、本記事に関する関連情報は、以下のページでもまとめていますのであわせて紹介します。

以上、「毒親から解放される方法」という記事でした。

この記事を書いた人

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はじめまして「メンタル心理そらくも 代表:寺井啓二」です。うつ、アダルトチルドレンを克服した経験を持つ心理カウンセラーです。自らの克服経験を世の中に役立てたいと考えています。

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