POINTカウンセリングで毒親から自分を解放する方法とは、毒親との親子関係で子供の頃から傷ついたままの自分のインナーチャイルドを、大人になった自分が自ら癒すことです。
心理カウンセラーの寺井です。
毒親育ちの方が毒親から自分を解放する方法として、カウンセリングはとても有効であると言われています。
また、カウンセリングは、カウンセラーの協力を得ることで、親を巻き込まず、親に振り回されず、自分のペースで取り組めるのも大きなメリットです。
この記事は、カウンセリングで毒親から自分を解放する「6つのステップ」について解説しています。
カウンセリングで毒親から自分を解放する「6つのステップ」
カウンセリングで毒親から自分を解放する方法とは、「毒親との親子関係で子供の頃から傷ついたままの自分のインナーチャイルドを、大人になった自分が自ら癒すこと」です。
すなわち、カウンセリングで毒親から自分を解放する方法とは、「交流分析」や「ゲシュタルト療法」をベースに、「アダルトチルドレンの回復過程」に基きながら「アダルトチルドレンを克服」することです。
ちなみに、上記のような「毒親から自分を解放するカウンセリングの基本的な考え方」については、以下の記事で詳しく解説していますので、まだお読みでない方は、先に以下の記事をお読みください。
さて、カウンセリングで毒親から自分を解放する「6つのステップ」とは以下になります。
POINT
- 「毒親に育てられたアダルトチルドレン」であることを認める
- 「未完の感情」や「禁止令やドライバー」の存在に気づく
- 「人生脚本」の存在に気づく
- 子供の頃から抱え続けている「未完の感情を解放」する
- 親との関係を整理する
- 「自分らしい生き方」を始める
それでは、以下に詳しく解説していきます。
ステップ①:「毒親に育てられたアダルトチルドレン」であることを認める
最初のステップは、「『毒親に育てられたアダルトチルドレン』であることを認める」です。
①-1:「毒親に育てられた人」3つの特徴
毒親に育てられた人は、以下の3つの特徴があります。
POINT
- 人間関係に苦手意識を感じやすい
- 自分の存在を否定的に感じやすい
- 不安や警戒心を敏感に感じやすい
カウンセリングでは、毒親に育てられた人は、人間関係に悩みやすい特徴があることに気づいていきます。
同時に、毒親に育てられた人は、人間関係に悩みやすい原因は「自分が弱いからだ…」「自分が悪いからだ…」と考えがちで、自分の存在を否定的に感じやすい特徴があることにも気づいていきます。
①-2:自分が悪いわけではないことに気づく
カウンセリングでは、人間関係に悩みやすい原因を心理学に基づいてわかりやすく解説していきます。
そうすることで、人間関係に悩みやすいのは「生まれ持った性格なので自分が悪い」というわけではなく、あくまで、生まれた後の経験に関係していることに気づいていきます。
①-3:「トラウマ」と「防衛機制」の存在に気づく
人は、相手の言動によって心が傷つくと、それ以来、「また傷つけられるのではないか?」という警戒心を感じやすくなります。
よって、カウンセリングでは、今現在、人間関係に悩みやすいということは、それだけ、過去の人間関係で傷ついた経験があり、警戒心を感じやすくなっていると考えます。
そして、過去の人間関係で心が傷ついた経験を、心理学では「トラウマ(心的外傷)」と言い、過去に心が傷ついた経験を持つことで働く警戒心を、心理学では「防衛機制」と言います。
また、カウンセリングでは、「トラウマ」と「防衛機制」の関係は、以下のようになっていると考えます。
POINT
- 「過去、誰かに厳しく怒られ心が傷ついた」というトラウマ体験を持つ人は、それ以来、「二度と怒られたくない!」という防衛機制が働き、人への警戒心・人への疑いが強まり、怒られることへの不安と焦りが強まっていると考える
- 人間関係に悩みを感じやすい人であるほど、心に大きな傷(大きなトラウマ体験)を抱えている可能性が高く、人への警戒心(防衛機制)が強まっていると考える
このように、カウンセリングでは、人間関係に悩みを感じやすい原因を、「トラウマ」と「防衛機制」の影響として考えていきます。
①-4:自分が悪いのではなく、自分は傷ついていると気づく
人が生まれて初めて関わりを持つ人間とは「親」です。
なので、もし、子供の頃、「親に言われた言葉」や「親にされた行動」によって心が傷ついた経験があり、今も心が傷ついたままだとすると、その経験が今も大きく影響し続けていると言えます。
すなわち、人間関係に悩みを感じやすい原因は、「子供の頃、親の言動に心が傷つき『トラウマ』を負い、大人になっても傷ついたままなので、引き続き『防衛機制』が活発に働き続けているため」と、カウンセリングでは考えます。
このように、カウンセリングでは、自分が人間関係に悩みやすいのは「自分が悪いから…」ではなく、「親の言動に心が傷ついた経験があり、今も傷ついたままだからだ…」と考えていきます。
①-5:自分も否定しない、親も否定しない
とはいえ、カウンセリングで「自分は悪くない…」と考え始めると、「自分が悪くないということは、親が悪かったのか!?」という憤りを感じたり、「親を責めたくない!親のせいにしたくない!」という抵抗感を感じる場合があります。
人は迷ったり悩んだり疑ったり、グルグルと気持ちを揺れ動かしながら成長していくことをカウンセラーたちは熟知しております。
また、カウンセリングの利用価値とは親を責めるためのものではなく、親を巻き込まず、自ら自分を癒し成長させる機会です。
なので、そもそもカウンセリングの場に親はいませんし、カウンリングでは親を責めるような話はしません。カウンセラーはあなたを急かすことなくゆっくりと見守っていきますのでご安心ください。
このように、カウンセリングは、「自分も否定しない、親も否定しない」という考え方で進めていきます。
①-6:「自分も悪くない…親も悪くない…誰も悪くない…」と考える
カウンセリングには、「毒親に育てられた人」と同じように、「毒親と呼ばれている人」たちも多く訪れます。
そして、カウンセリングで過去を振り返っていくと、「毒親と呼ばれている人」たちも、過去、毒親に育てられた経験を持つ場合が多く、「子育てへの苦手意識」を感じている場合が殆どです。
このように、カウンセリングでは、「毒親」とは「子育てに苦手意識を持つ親」であると考え、その親子関係を以下のように考えます。
POINT
- 親の親(祖父母)も子育てに苦手意識を持った親であったため、祖父母に育てられた親は心が傷つき、知らず知らずに「子育てに苦手意識を持つ親」となった
- 親は子育てに苦手意識があり、子育てに自信が無かったため、子供に対して無意識に不適切な言動を繰り返してしまった
- 親も子供と同じように心が傷ついているので、親も子供もどちらも悪くない
また、子供の頃、「親に言われた言葉」や「親にされた行動」の影響で、大人になっても生きづらさを感じている人を「アダルトチルドレン」と言います。
そういった意味では、カウンセリングでは「毒親に育てられた人」も「毒親と呼ばれている人」も、どちらも「毒親に育てられたアダルトチルドレン」と考えます。
このように、自分は「毒親に育てられたアダルトチルドレン」と認めることができると、「自分も親も、どちらも傷ついていた…」「自分も悪くない…親も悪くない…」と考えられるようになり、そのぶん自己否定感が和らぎ、毒親から自分を解放する第一歩となります。
①-7:毒親育ちチェックリスト
さて、「自分は毒親に育てられたアダルトチルドレンなのか?」については、以下のいずれかのチェックリストを実行することで詳しくチェックできます。
「毒親から自分を解放する第一歩」として、是非チェックしてみて下さい。
ステップ②:「未完の感情」や「禁止令やドライバー」の存在に気づく
次は、「『未完の感情』や『禁止令やドライバー』の存在に気づく」です。
このステップでは、「親からどのような影響を受けているのか?」を具体的に認識していきます。
②-1:「未完の感情」の存在に気づく
「未完の感情」とは、言いたいけど言えなかったこと、やりたいけどできなかったことなど、子供の頃に我慢をしたり抑圧した感情、いわゆる「ストレス」のことで、心にトラウマを負ったとき、グッと心に抑圧した「寂しさ・悲しさ・怖さ・辛さ」などです。
カウンセリングでは、以下のような感情に注目します。
POINT
- 無性に寂しい、底なしに悲しい、漠然と不安、生き辛い、人目が気になる、イライラが止まらない、怒りが爆発する、どうせわかってくれない、やる気が出ない、眠れない、落ち着かない、嫌われたくない、失敗が怖い、1人が怖い、馬鹿にされたくない、怒られたくない、認めてほしい、褒めてほしい…など
また、「未完の感情とは何か?」については、以下の記事で詳しく解説していますので、必要な方は参考にしてください。
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②-2:「禁止令」の存在に気づく
「禁止令」とは、子供の頃、親に言われた言葉のうち、「~するな!」「~しちゃダメ!」「~しないほうがいい」など、何かを禁止する指示・命令のことを指します。
「禁止令」は、「我慢する」「抑圧する」というパターンが特徴的で、カウンセリングでは、以下のような考え方に注目します。
POINT
- 失敗してはいけない、休んではいけない、諦めてはいけない、泣いてはいけない、怖がってはいけない、弱音を吐いてはいけない、他人を信じてはいけない、わがままを言ってはいけない、迷惑をかけてはいけない、幸せになってはいけない、目立ってはいけない…など
②-3:「ドライバー」の存在に気づく
「ドライバー」とは、子供の頃、親に言われた言葉のうち、「~しろ!」「~しなさい!」「~したほうがいい!」など、何かを煽り立てられる指示・命令のことを指します。
「ドライバー」は、「頑張る」「焦る」というパターンが特徴的で、カウンセリングでは、以下のような考え方に注目します。
POINT
- 完璧でなければならない、もっと頑張らなければならない、限界まで全力を尽くさねばならない、世の中の役に立たねばならない、人に尽くさねばならない、早くしなければならない、もっと強くならなければならない、油断してはならない…など
また、「禁止令とは何か?」「ドライバーとは何か?」については、以下の記事で詳しく解説していますので、必要な方は参考にしてください。
②-4:「未完の感情・禁止令・ドライバー」に気づくのは、カウンセラーの役割
このように、「未完の感情」とは、「日常、ついつい我慢しがちな感情」と言えます。
また、「禁止令・ドライバー」とは、「日常、ついつい物事を否定的に考えるクセ」と言えます。
とはいえ、自分の感情や考え方のクセは、自分自身ではなかなか気づきづらいものです。
なので、「未完の感情・禁止令・ドライバー」の存在には、カウンセリングでの対話をかさねながら、カウンセラーと一緒に気づいていきます。
②-5:「未完の感情・禁止令・ドライバー」を「インナーチャイルド」に見立てる
カウンセリングでは、「未完の感情・禁止令・ドライバー」に気づきやすくする工夫として、「インナーチャイルド」という考え方を用います。
インナーチャイルドとは、「未完の感情・禁止令・ドライバー」の影響を受け始めた頃の子供時代の自分のイメージです。
このように、カウンセリングでは、カウンセラーの協力のもと、子供の頃の自分の表情や様子をイラストで表現したり、父親・母親・祖父母・兄弟姉妹など当時の家族の表情や様子をイラストで表現したり、子供の頃の親子関係・家族関係を視覚で捉えながら、「未完の感情・禁止令・ドライバー」の存在に気づいていきます。
「『インナーチャイルド』という考え方を用いて、『未完の感情・禁止令・ドライバー』に気づく方法」については、以下の記事で詳しく解説しています。
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ステップ③:「人生脚本」の存在に気づく
続いては、「『人生脚本』の存在に気づく」です。
このステップでは、「無意識に繰り返している自らの思考や行動の傾向」に気づいていきます。
③-1:自らの「人生脚本」に気づく
子供の頃、親の言動の影響によって形成され、無意識に繰り返いている「思考や行動パターンの傾向」いわゆる「性格」のことを「交流分析」では「人生脚本」と言います。
「人生脚本」は、以下の4つのパターンにわかれます。
POINT
- 成功者の人生脚本
- 平凡な人生脚本
- 敗者の人生脚本
- 破滅型の人生脚本
親にたくさん褒めてもらえれば「成功者」、親に褒められたり叱られたりすれば「平凡」、親に否定ばかりされれば「敗者」、親に放置されたり虐待を受ければ「破滅型」など、人は、子供の頃、親の言動の影響によって自分の生き方を決定づけ、大人になっても無意識に繰り返しています。
このように、カウンセリングでは、自分の性格を「人生脚本」として捉えます。
③-2:「人生脚本」を「アダルトチルドレンタイプ」で捉える
また、カウンセリングでは、「人生脚本」を「アダルトチルドレンタイプ」に置き換えます。
「アダルトチルドレンタイプ」とは、子供の頃、親の言動の影響によって子供が身に付ける「生き方のバリエーション」のようなものです。
いわば「家族における自分の役回り」「人間関係における自分のキャラクター」のようなもので、以下の「7つのタイプ」にわかれます。
POINT
- 「ヒーロータイプ(英雄役)」
「勉強・スポーツ」などで活躍を示すなど、「優秀な人間(英雄的存在)」となることで家族を支える - 「スケープゴート(身代り役)」
家族からの「八つ当たり」を黙って一身に受けとめるなど、「家族のストレスのはけ口(身代りの犠牲者)」となることで家族を崩壊から防ぐ - 「ロストワン(いない子)」
自我を抑え込んだり一人で過ごすなど、「自分の存在感を消す(いない子になる)」ことで家族の負担を減らす - 「ピエロタイプ(おどけ役)」
「家族のストレスや緊張」を和らげるため、おどけたり笑顔を振りまくなど、「ムードメーカー(おどけ役)」となって家族の雰囲気を和ませる - 「ケアテイカー(世話役)」
「病気の家族の看病」をしたり「幼い弟妹の面倒」を見るなど、「父親代わり・母親代わり(世話役)」となって家族の世話をする - 「イネイブラー(支え役)」
「苦労する母親」を支えたり「不甲斐ない父親」を支えるなど、「自己犠牲」によって家族を支える - 「プラケーター(慰め役)」
「落ち込んでいる家族」や「悩んでいる家族」に優しく寄り添うなど、「聞き役に徹する」ことで家族を慰める
また、「アダルトチルドレンタイプ」にはそれぞれのタイプに適した克服方法があり、毒親に育てられた影響で身に付けた自らの「人生脚本」を「アダルトチルドレンタイプ」として捉えなすことで、「自分に適した克服方法」を知ることができます。
③-3:アダルトチルドレン(ac)タイプ診断を行う
「自分に当てはまるアダルトチルドレンタイプはどれか?」については、以下の「アダルトチルドレンタイプ診断」を実行することで詳しくチェックできます。
「自分に適した克服方法」を知るために、是非チェックしてみて下さい。
ステップ④:子供の頃から抱え続けている「未完の感情を解放」する
続いては、「子供の頃から抱え続けている『未完の感情を解放』する」です。
また、「未完の感情」を解放すると、連動して「禁止令・ドライバー」も改善できます。
このステップでは、子供の頃から抱え続けている「未完の感情」を解放することで、「親からの精神的な自立」を果たします。
④-1:インナーチャイルドセラピーで「未完の感情を解放」する
カウンセリングでは、「インナーチャイルドセラピー(退行催眠)」によって、「未完の感情」を安全に解放します。
「インナーチャイルドセラピー」は、目を閉じて「催眠療法(ヒプノセラピー)」をベースに行うため、カウンセラーが視界に入らず、人への警戒心と緊張=「防衛機制」を和らげつつ、安心して取り組むことができます。
また、「未完の感情」を「インナーチャイルド」というイメージに見立て、大人になった自分がインナーチャイルドを助ける設定で夢中で取り組むことができ、まるで映画やスポーツのように、自分の心境の変化を体感で実感しながら、子供の頃から抱え続けている「未完の感情」を存分に解放することができます。
インナーチャイルドセラピーで解放する「未完の感情」は、例として以下のようなものがあります。
POINT
- 笑顔でいい子でいたけど、本当は寂しかった、本当は平気じゃなかった
- 一方的に怒られて悲しかった、悔しかった、自分の話を聞いてほしかった
- 自分なりには頑張ったり我慢をしたのだから、褒めてほしかった、認めてほしかった
- 親が不安定で怖かった、すごく不安だった
- 親がケンカばかりで、怖かった、静かに仲良く過ごしたかった
- 親が忙しくて一人ぼっちで不安だった、本当はそばにいてほしかった…など
このような「未完の感情」をインナーチャイルドセラピーで解放すると、長年のストレスが発散され、「心が軽くなる」「地に足が着く」「肩の荷が下りる」など、心地よい気持ちが感じられるようになります。
④-2:「未完の完結」を果たすと、親に対する執着が終わる
このように「未完の感情」を解放することで心地よい気持ちを感じられるようになることを「未完の完結」と言います。
子供の頃から抱え続けた「未完の感情」を「未完の完結」へと導くことができると、心に余裕が生まれ、親に対する執着や不快な感情も落ち着き、親に対して新しい気持ちを感じられるようになります。
また、「インナーチャイルドセラピーで未完の感情を解放する方法」については、以下の記事で詳しく解説しています。
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ステップ⑤:親との関係を整理する
続いては、「親との関係を整理する」です。
このステップでは、カウンセラーの協力のもと「親との関係を整理」することで、「『毒親の呪縛』や『毒親への支配』から自分を解放」します。
⑤-1:親にも事情があったことを認める
私は、カウンセラーとしての長年の経験がありますが、例え、毒親と呼ばれている方たちであっても、子供を苦しめようと思って子育てをしている親には一度も会ったことがありません。
概ね、「一生懸命に子育てをしているつもりだったのだけれど、親にも子供の頃から抱えている事情があり、子育てに自信が持てない、子育てのやり方がわからない、子育てがうまくいかない…」と訴える毒親の方たちが殆どです。
なので、「罪を憎んで人を憎まず」のことわざ通り、「子育てのやり方に問題はあったけど、親は親なりに、一生懸命に子育てをしようとはしてくれたのだ…」と、親の事情を認めることも、毒親から自分を解放するためには大切なことです。
また、「子育てに悩みを抱えた親たちの気持ち」をまとめた記事を以下に紹介します。
「親の事情を理解する」ための参考としてお読みください。
⑤-2:親に期待できること・できないことを整理する
「普通の親ならこうするでしょ!」と、いくら子供が訴えても、親にはできないこともあります。
人は親になったとき、自分が子供の頃に親にしてもらった子育て方法を、「世代間連鎖」によって自分の子供に繰り返していく特徴があります。
ということは、今、毒親の方たちがしている子育て方法は、毒親の方たちが子供の頃、そのまた親にしてもらった子育て方法を、無意識に繰り返しているだけなのです。
なので、「気持ちの面で支えてもらうことは期待できないけど、金銭面や生活面では支えてもらえているのでOKとしよう…」など、親に期待できること・できないことを整理することで親への失望が減り、そのぶん親への執着も減り、親と心理面での距離を取りやすくなります。
また、「世代間連鎖とは何か?」については、以下の記事で詳しく解説していますので、興味のある方は参考にしてください。
⑤-3:お願いごとはしっかりと伝える、素直に感謝を伝える
日本人は、気遣い・忖度といった文化があり、「これくらいのことは、言わなくてもわかってほしい…」「普通、言わなくてもわかるでしょ?」と、自分の感情を自分からは伝えず、相手にわからせようとする特徴があります。
ですが、いくら普通のことであっても、相手にしっかりと伝えない限り、わからない人には永遠にわからないのです。
なので、「親しき中にも礼儀あり」のことわざ通り、自分から親に何かお願いしたいことがある場合は、「私は○○してほしい…」としっかりと伝え、自分のお願いを親が聞いてくれたのなら、「聞いてくれてありがとう…」と素直に感謝を伝えることが大切です。
⑤-4:「お願いします」「ありがとう」で、毒親から自分を解放する
確かに、「なんで?今さら親に感謝しなきゃいけないの?」と感じるかもしれませんが、親との過去を引きずっている限り、親へ執着し続けることになり、毒親からの解放は難しくなるでしょう。
よって、今までのことは今までとして、これからは、自分の方から「お願いします…」「ありがとう…」と伝えられるようになると、親の側も「こうすると揉めないで済むんだ…」と学ぶことができますし、子供の側も「自分がお願いしたいことは自分で伝えて感謝しよう…」と「精神的な自立」を進めることができ、お互いの関係に適度な距離感を作ることができます。
また、「毒親から精神的に自立するための対策」については、以下の記事で詳しく解説していますので、必要な方は参考にしてください。
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ステップ⑥:「自分らしい生き方」を始める
最後は、「『自分らしい生き方』を始める」です。
カウンセリングよって「未完の感情」を「未完の完結」へ導き、「親との関係を整理」すると、子供時代から続いていた「トラウマ(心的外傷)」が徐々に癒され、そのぶん「防衛機制」の影響が和らぎ、子供時代に学べなかった自分らしい生き方を徐々に身に付けられるようになり、未来へと関心が向き始めます。
このステップでは、カウンセリングルームを離れ、日常生活の中で「自分らしい生き方」を始めていきます。
自分らしい生き方は、何歳からでも始められる
毒親に育てられた人は、「自分らしく生きることの経験不足の状態」と考えてみましょう。
例えば、料理やスポーツも、最初は経験不足のためなかなかうまくはいきませんが、何歳からでも学び始めることができますし、何歳からでも身に付けていくことができます。
それと同じように、自分らしい生き方も、何歳からでも学び始めることができますし、何歳からでも身に付けていくことができます。
なので、「まだ、○○できない…」と考えるより、「今から○○できるようにしていこう…」と考え、ゆっくりと時間を掛けて「自分らしい生き方」を始めていく気持ちが大切です。
「一人じゃない」と感じながら日常を過ごす
また、インナーチャイルドセラピーによって自分の胸の内に迎え入れたもう一人の自分=インナーチャイルドという味方を意識しながら、「自分は一人じゃない」という気持ちで日常を過ごすことも大切です。
くわえて、当社メンタル心理そらくもでは、ご帰宅後のクライアントさまを、「メールによる無料のアフターフォロー」で見守っています。
ちなみに、「対面カウンセリング後のアフターフォロー」については、以下のページで詳しく解説しています。
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まとめ
ここまで、「カウンセリングで毒親から自分を解放する『6つのステップ』」について解説してきました。
このように、カウンセリングで毒親から自分を解放するには、「心理学に基づく『技術』や『知識』」に加え、「お互いに敬意を払う対等な人間関係」「お互いに協力しあいながら克服を目指す信頼関係」が大切です。
もし、「親との関係を整理したいと思っているのだけれど、自分1人では難しい…」と感じておられるようでしたら、いつの日か、お手伝いをさせて頂けると嬉しいです。
なお、本記事に関する関連情報は、以下のページでもまとめていますのであわせて紹介します。
以上、「カウンセリングで毒親から自分を解放する『6つのステップ』」という記事でした。